研究課題/領域番号 |
23K07028
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安藤 俊太郎 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (20616784)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | リチウム / 精神的健康 / 攻撃性 / 自殺関連行動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「体内微量リチウム濃度が攻撃性や自殺関連行動と関係する」という仮説を検証する。世界で自殺者数が増え、本邦でも若者の自殺率が上昇しているが、自殺予防効果が実証されている炭酸リチウムの適応は気分障害に限定されており、中毒や副作用への懸念等から過少利用されている。本研究は、自殺既遂者を含む死亡者の体内リチウム濃度測定というきわめて困難な課題を世界初の先駆的な手法で解決し、体内リチウム濃度と自殺死の関係を解明する。加えて、大規模思春期コホートの尿サンプルを用い、体内微量リチウム濃度と攻撃性・自殺関連行動の関係を解明する。
|
研究実績の概要 |
東京都監察医務院において、監察医やスタッフの協力の下、東京都23区内における突然の病死、病気以外の全死亡(死因不詳含む)を対象とした検案事例についてサンプル収集を進めた(眼房水、尿)。また、収集した検体を冷凍保管後、順天堂大学衛生学・公衆衛生学講座に移送し、誘導結合プラズマ質量分析法でサンプルのリチウム濃度を測定した。収集した検体について、超微量の検出限界で検体中リチウム濃度を測定することに成功した。また、性別、年齢、死後時間などの情報を記録し、匿名化電子データを構築することができている。 また、東京都内で実施している地域一般思春期児童の大規模前向きコホート研究(東京ティーンコホート)の参加者を対象とした研究も進めている。同コホートにおいて14歳時に収集した約1000件超の早朝尿検体からリチウム濃度を測定した。また、尿検体からクレアチニン濃度を測定し、それらの濃度と基礎背景情報や精神的健康に関するデータを統合したデータセットを作成した。作成したデータセットを用いて、尿中リチウム濃度と精神的健康の関係について、解析を進めることができている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東京都監察医務院におけるサンプル収集は順調に進んでおり、収集したサンプルの移送、濃度測定等の行程も支障なく行なえている。基礎背景情報とサンプル情報を併せた統合データセットの作成も進んでおり、解析に向けた準備が整いつつある。 東京都内で実施している地域一般思春期児童の大規模前向きコホート研究(東京ティーンコホート)においても、多数の尿検体について測定を終え、コホートで収集した情報を統合した大規模データセットも完成することができた。この大規模データセットを用いて、予定していた解析を進めることができている。
|
今後の研究の推進方策 |
東京都監察医務院においては、監察医やスタッフの協力の下、東京都23区内における突然の病死、病気以外の全死亡(死因不詳含む)を対象とした検案事例について今後もサンプル収集を進めていく(眼房水、尿)。また、収集した検体は冷凍保管後、順天堂大学衛生学・公衆衛生学講座に移送し、誘導結合プラズマ質量分析法でサンプルのリチウム濃度測定を進めていく。性別、年齢、死後時間などの情報を記録し、匿名化電子データ構築を進めていく。 東京都内で実施している地域一般思春期児童の大規模前向きコホート研究(東京ティーンコホート)おける、尿中リチウム濃度とコホートで収集した基礎背景情報を統合した大規模データセットを用いて解析を進める。さらに、リチウム研究についての国内外における最新の研究知見を収集し、それらを参考に、論文化を進めていく。
|