研究課題/領域番号 |
23K07045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
八田 耕太郎 順天堂大学, 医学部, 教授 (90337915)
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研究分担者 |
杉田 学 順天堂大学, 医学部, 教授 (20322414)
中村 裕之 金沢大学, 医学系, 教授 (30231476)
大山 覚照 日本医科大学, 医学部, 講師 (30812268)
谷口 豪 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 てんかん診療部, 医長 (40728630)
岸 泰宏 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60256930)
竹内 崇 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (70345289)
臼井 千恵 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (70453587)
宮島 美穂 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (70616177)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | せん妄 / てんかん / 機序 / 側頭葉 / 脳波 |
研究開始時の研究の概要 |
意識変容を伴う挿話的な発症と収束といったせん妄の臨床像には、突発的な脳波活動の関与があるのではないか。せん妄が好発する高齢者は側頭葉てんかんも好発するが、内側側頭葉の発作間歇期てんかん性異常波は国際10-20法の電極配置では検出しにくいことから見逃されてきた可能性がある。実際、抗精神病薬を使用できない状況で用いた抗けいれん作用のある薬剤が奏効する症例があり、この問いを脳波所見で可視化できれば、薬物療法的介入に新たな選択肢を加えることができる。科学的合理性をもった実務的なせん妄の予防・治療・再発予防体系を構築したい。
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研究実績の概要 |
検証する仮説:せん妄の一部には、病態機序として側頭葉の突発活動が関与しているのではないか? せん妄は生命予後の短縮、転倒・転落、および認知症発症のリスクを上げ、社会経済的な負担を増大させるため、その予防に関心が集まっている。薬物療法的な予防介入ではメラトニン神経伝達およびオレキシン神経伝達に着目してランダム化比較試験(RCT)を成功させ、世界をリードしてきた。しかし、夜間せん妄を起こしたため次のせん妄を予防しようとメラトニン受容体作動薬およびオレキシン受容体拮抗薬を投入しても、4割の患者はせん妄を再発した。両剤による睡眠覚醒サイクル障害の改善や前者による抗炎症・抗酸化ストレス作用では対処できないせん妄の病態機序は何か。 臨床現場で丁寧にせん妄を観察していると、意識変容を伴う挿話的な発症と収束といった臨床像には、突発的な脳波活動の関与が一部あるのではないかといった想像が働く。せん妄は高齢者に好発するが、高齢者にはてんかんも好発することが近年知られるようになり、その66%は側頭葉てんかんであるという。従来、せん妄の脳波所見と言えば基礎活動の軽度の徐波化であったが、内側側頭葉の発作間歇期てんかん性異常波は国際10-20法の電極配置では検出しにくいことから見逃されてきた可能性がある。実際、抗精神病薬を使用できない状況で用いた抗けいれん作用のある薬剤が奏効する症例がある。 本研究は、せん妄を発症した高齢患者に側頭葉内側の突発活動を捉えやすいT1,T2電極も含めた脳波検査を実施し、冒頭に述べた仮説を可視化して実証する。 このため、前夜せん妄を呈した症例に対する前頭側頭電極(T1/T2)を含めた脳波検討を横断研究デザイン、4つの医療機関の多機関共同研究として計画し、順天堂大学医学部医学系研究等倫理委員会の承認を得て開始した。現在、症例集積中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
倫理委員会での承認が予定より遅れたが、研究開始できたため、おおむね順調と評価している。
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今後の研究の推進方策 |
症例を蓄積して、全体の目標1000症例を目指す。
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