研究課題/領域番号 |
23K07047
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
中村 祐樹 久留米大学, 医学部, 助教 (90446104)
|
研究分担者 |
河原 幸江 久留米大学, 医学部, 准教授 (10279135)
黒岩 真帆美 久留米大学, 医学部, 助教 (20585690)
西 昭徳 久留米大学, 医学部, 教授 (50228144)
首藤 隆秀 久留米大学, 医学部, 准教授 (70412541)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 線条体 / アセチルコリン / ドーパミン / うつ病 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はうつ病モデルであるp11欠損マウスで、側坐核のコリン作動性介在ニューロン(ChI) からのACh放出が減少し、その結果、DA報酬応答が抑制されていることや、この病態がうつ病に伴うアンヘドニア(無快楽症)や報酬関連行動の低下と密接に関連していることを報告してきた。 本研究では、マウスの側坐核でのACh動態とDA報酬応答とが経時的にどのように連動しているのか(経時的連動性)を明らかにし、うつ病や嗜癖病態モデルでこの連動性がどのように障害されているのかを解析する。さらに、ACh動態を制御することによりアンヘドニア等の症状を改善できるかを検討し、AChをターゲットとした治療薬開発へとつなげたい。
|
研究実績の概要 |
報酬情報は、側坐核にドーパミン(DA)が放出されることにより伝達されるが(DA報酬応答)、近年、DA報酬応答におけるアセチルコリン(ACh)の役割が注目されている。我々はうつ病モデルであるp11欠損マウスでは、線条体のコリン作動性介在ニューロン(ChI) の活動性が低下し、AChの放出が減少していることを明らかにした。さらに、AChの放出の減少によりDA報酬応答が抑制されていることや、この病態がうつ病に伴うアンヘドニア(無快楽症)や報酬関連行動の低下と密接に関連していることを報告した。しかしながら、in vivo の線条体でACh がどのようなタイミングで放出され、どの程度線条体のDA 放出を制御しているか、DA 放出障害によるアンヘドニアや嗜癖といった病態が、ChI から分泌されるACh の量や作用を制御することでどの程度改善できるかは明らかでない。そこで、本研究ではDA センサー、ACh センサーをアデノ随伴ウイルス (AAV) によって側坐核に注入し、in vivoのDA・ACh 動態をファイバーフォトメトリーで測定する。異なる蛍光色のバイオセンサーを併用することで、DA と同時にACh の動態を測定できる。さらに細胞活動の指標であるカルシウム動態をCa センサーで同時に解析することで、各種ニューロンの活性化とDA、ACh 分泌との関連性も解析することができる。ファイバーフォトメトリーを用いてマウスの側坐核のACh動態とDA報酬応答とが経時的にどのように連動しているのか(経時的連動性)を明らかにし、さらに、うつ病や嗜癖病態モデルマウスでこの連動性がどのように障害されているのかを現在解析中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ファイバーフォトメトリーシステムを用いたドーパミン、アセチルコリンの測定、オペラントボックスを用いた嗜癖形成モデルの作製などの実験系を立ち上げ、概ね計画通りに研究が進行している。
|
今後の研究の推進方策 |
p11欠損マウスにおける側坐核や前頭葉のドパミン・アセチルコリン動態の解析を、行動の変化と対応させながら解析していく。さらに、p11欠損マウスが嗜癖を形成する際、ドパミン・アセチルコリン動態がどのように変化するかについても解析予定である。
|