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放射線治療は高齢がん患者に優しい治療なのか?優しくできる治療なのか?

研究課題

研究課題/領域番号 23K07056
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52040:放射線科学関連
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

吉村 亮一  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40302864)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
キーワード有害事象 / 後期高齢者 / 小線源治療 / 放射線治療 / 高齢者
研究開始時の研究の概要

「放射線治療は高齢がん患者に優しい治療なのか?優しくできる治療なのか?」を検証するために、根治的放射線治療を行う高齢がん患者を対象に高齢者機能評価を用い、放射線治療期間中および治療後の体組成変化と、患者が感じる疲労度との関係を分析する。さらに、その分析結果よりリハビリや栄養指導、口腔ケア等の適切な介入を考察し、実際に介入することで体組成変化や疲労度に変化がみられるかを分析する。

研究実績の概要

「放射線治療は高齢がん患者に優しい治療なのか?優しくできる治療なのか?」を検証するための評価項目を作成するために、2014年~2021年に後期高齢者の口腔・口唇・中咽頭癌143例に実施した小線源治療の治療効果と有害事象について評価を行った。年齢は75~93歳(中央値82歳)、男/女=75/68例、PS=0/1/2/3=30/57/35/21例、cT0-1/2/3=43/80/20例であった。小線源治療前に外部照射(24例)/S1内服(35例)/S1併用外部照射(5例)を行っており、小線源治療はイリジウム針(20例)/金粒子(123例、モールド8例を含む)を使用していた。結果として3年局所制御率80%、3年全生存率78%、3年がん特異的生存率86%と高い治療効果が得られていたが、一方で有害事象として、若年者ではあまり見ることのない、口腔潰瘍による低栄養での入院(Grade 3)2例、手術を必要とした下顎骨壊死(Grade 3)1例、口腔潰瘍による出血(Grade 4)1例、口内炎による嚥下障害を原因とした重症肺炎(Grade 4)1例、さらに口腔潰瘍および下顎骨骨髄炎による低栄養での死亡(Grade 5)1例、咽頭潰瘍による嚥下障害を原因とした肺炎での死亡(Grade 5)1例が確認された。
一般的に高齢者にも安全に行える放射線治療の一つとして考えられていた小線源治療において、今回、死亡例を含め後期高齢者に特有と考えられる有害事象の発生が確認された。これは我々の想定を覆す結果であり、有害事象を生じた患者の背景からリスク因子を抽出し、これまで考えてきた放射線治療による身体機能や健康状態の変化の評価に今回のリスク因子の有無を加える必要が出てきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

放射線治療を予定している高齢がん患者に身体的精神的機能評価を行う予定であったが、具体的な評価方法を検討するために行った後方視的研究にて想定していなかった有害事象を確認した。このため、今後の研究を推進するためにも、有害事象の評価と追及が必要と判断し、現在施行中であり、そのために研究の進捗状況は予定より遅れている。

今後の研究の推進方策

令和5年度に実施した研究結果より、高齢がん患者の放射線治療で生じる重篤な有害事象のリスク因子を追求し、本来実施予定であった高齢者機能評価と体組成の定量的評価に加えてリスク因子の有無についても評価する必要があると考えている。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 高齢者の口唇・口腔・中咽頭癌に対する低線量率小線源治療2024

    • 著者名/発表者名
      吉村亮一、戸田一真、桑原宏文、長野拓也、松原大五郎、三木谷智範、益本茜音
    • 学会等名
      第48回日本頭頸部癌学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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