研究課題/領域番号 |
23K07066
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
平木 嘉樹 九州大学, 大学病院, 医員 (90882895)
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研究分担者 |
本村 有史 九州大学, 大学病院, 助教 (00826365)
平川 雅和 九州大学, 大学病院, 教授 (20380454)
三森 功士 九州大学, 大学病院, 教授 (50322748)
井上 大地 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構, その他部局等, 研究員(副センター長・部長クラス) (80735746)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ロングリードRNAシーケンス / 食道扁平上皮癌 / 化学放射線療法 / ロングリード・シーケンス |
研究開始時の研究の概要 |
進行食道扁平上皮癌に対する化学放射線療法(CRT)は標準治療の一つとされており高い抗腫瘍効果の期待できる低侵襲な治療法であるが、適応を決めるための感受性(抵抗性)の正確な予測は困難である。CRTによる治療成績向上のためには、感受性(抵抗性)に関与する(変異)転写産物を同定しその予測法の確立あるいは感受性を増感するための治療標的としての意義の確立が望まれる。近年、革新的技術であるロングリード・シーケンスの開発によりRNA全長のシーケンスが可能になった。すなわち発がんのドライバーとしてあるいはがん進展に関連する(変異)転写産物が注目されている。
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研究実績の概要 |
前回の助成を受けて進めた研究では、食道扁平上皮癌における化学放射線療法(CRT)の感受性および抵抗性に影響を与える可能性のあるゲノム変化を同定する予備的な分析を行った。特に、MYC遺伝子領域のコピー数増幅がCRT抵抗性の獲得に重要である可能性が示唆された(Hirata H, Motomura Y. et al., Cancer Res, 2021)。この知見を踏まえたロングリードRNAシーケンス解析の予備的解析として、前回助成研究で得られたショートリードのRNAシーケンスデータを用いた広範な解析を進めた。 具体的には、MYC領域のコピー数増幅の有無によってCRT抵抗性の有無で4群に分け、発現変動遺伝子の解析、Gene Set Enrichment Analysis(GSEA)、Immune レパトア解析、マイクロバイオーム解析、およびCibersortXを用いた免疫細胞浸潤解析を進めた。これらの予備的な解析の手法は、ロングリードRNAシーケンスによる包括的な解析を行う際にも応用できることが期待される。 現在得られている結果として、GSEAにて、IFNα・γ反応性遺伝子群がMYCコピー数非増幅群において有意に濃縮されていることが示された。また、CibersortXについては、公共データベースのSingle cell RNAシーケンスデータをリファレンスデータとして処理する手法を確立した上で先行研究のショートリードのRNAシーケンスデータの解析を行った。、現状ではB細胞、T細胞といった大まかな免疫細胞分画についてのみ免疫細胞浸潤を評価できる状況であり、今後サブタイプについてより詳細な解析を行い、MYC領域のコピー数増幅とCRT抵抗性に関連する免疫細胞浸潤を特定する方針である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ロングリードRNAシーケンスでの解析対象を明確にするためと、ロングリードRNAシーケンスの解析法の確立のため、既存のショートリードRNAシーケンスでの解析をまず行う必要があったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでの解析で得られた知見を基に、ロングリードRNAシーケンスを用いて、食道扁平上皮癌におけるCRT抵抗性の獲得機構のより詳細な解明を目指す。特に、MYC領域のコピー数増幅とCRT抵抗性の関連を明らかにするための詳細な転写産物の解析を進める予定である。
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