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患者フレンドリーな核医学検査のための情報技術利用の検証と開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K07067
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52040:放射線科学関連
研究機関長崎大学

研究代表者

工藤 崇  長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (20330300)

研究分担者 井手口 怜子  長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (10457567)
西 弘大  長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (10719496)
平田 健司  北海道大学, 医学研究院, 准教授 (30431365)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード人工知能 / 患者フレンドリー / 脳血管予備能 / 心筋血流 / 骨 / 核医学 / コンピューター支援診断 / 循環機能
研究開始時の研究の概要

核医学検査は生体機能を画像化する検査で、特に心疾患や脳血管障害においては、循環機能測定を画像化できるという特徴があり、治療方針決定、予後の推定などに大きな役割を持つ。一方、検査が煩雑、長時間になりやすく「患者フレンドリー」とは言いがたい。本研究は、コンピューター支援診断(CAD)および人工知能(AI)を利用することで,検査時間の短縮・検査の簡便化・患者の苦痛低減といった患者に優しい=「患者フレンドリー」な核医学検査が可能であるかを検討し、「患者フレンドリー」な核医学検査のためのCAD/AIの開発を目指す。

研究実績の概要

2023年度において;
脳については、69例の脳血管障害症例(内頚動脈閉塞43, 中大脳動脈狭窄8, もやもや病18例)について、Baseline時、および負荷時の画像の定量評価と定性評価を比較することで、動脈血採血によらない脳血管予備能の予測が可能であるかの検討を行った。本年度は小脳に対して正規化した画像を用いた検討を行ったが、実測された血管予備能との良好なそう考えられず、この手法では予測が困難であることが明らかとなった。小脳を標準とした正規化での患者フレンドリーな検査の構築は困難であることが判明したため、次年度は別の正規化の手法を試みることとする。一方、副次的な知見として、内頚動脈閉塞例ともやもや病では脳血管予備能の変化に違いがあり、内頚動脈閉塞では対側小脳のbaseline時の血流が低下する傾向があるのに対し、もやもや病では同側小脳の血管予備能が低下する傾向があり、病態や発症年齢の違いが反映しているものと思われた。特にもやもや病の対側小脳の予備能低下は今までに報告されていない知見である。
心臓については、負荷時心筋血流シンチから得られる人工知能のパラメーター(ANN値)で安静時血流が正常であることを予測するために約1500例の対象症例の抽出を行った。症例数が莫大であるため、まず、正常である可能性が高い症例のみを抽出して解析するための事前検討を行っている段階である。
腫瘍に関しては、骨シンチにおける人工知能による自動診断の精度が人工知能のバージョン違いで異なるかの検討を開始した。現在約1000例の解析を行い、人工知能が性別の異なるデータベースでトレーニングされることにより、正診率が向上することがROC解析により明らかになりつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

脳については、実施計画にそって動脈血採血を伴わない患者フレンドリーな脳血管予備能推定の検討を行ったが、小脳を基準とした正規化手法では望ましい結果が得られなかったため、正規化手法の変更にて次年度は新たな研究を行う予定である。その一方、研究の副次的な知見として臨床的に重要な結果が得られ、特にモヤモヤ病に関する知見は報告のない新たな知見であった。脳の研究部分についてはは部分的には予想よりも良い結果が得られていると考える。心臓については、症例の抽出のみ完了し、解析には至っていないことから、若干遅れていると思われる。一方、腫瘍については骨シンチの人工知能トレーニングのがトレーニング症例の性差を組み込むことによって正診率が改善することが明らかとなった。一つの結果が確定しており、予定より若干進んでいると思われる。以上から総じて実施計画と同程度の進捗であると考える。

今後の研究の推進方策

脳については、正規化の手法に問題があると考えられたため、正規化の手法を変更することで、再度の研究を行う。また、副次的に得られた知見であるもやもや病と内頚動脈閉塞における脳血流の反応性の違いについては、報告のない知見が含まれているため、さらに症例について細かい情報を追加することで、研究の深化につなげる予定である。心臓に関しては、現在得られているデータの解析を進めて、負荷単独心筋血流シンチグラフィーへのAIの応用を進め、患者フレンドリーな検査の開発を進める。腫瘍については、骨シンチについて一つの結果が得られたが、原疾患の違いや医師による画像診断との精度対比など、さらに研究を進める。一方、新規AIについては、現在必要なハードウエアの購入が終了しているため、今年度の中心的取り組みとして行っていく予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件、 招待講演 9件)

  • [雑誌論文] Radiation Exposure Characteristics among Healthcare Workers: Before and After Japan's Ordinance Revision2024

    • 著者名/発表者名
      Imakhanova Aiganym、Matsuda Naoki、Takamura Noboru、Oriuchi Noboru、Ito Hiroshi、Awai Kazuo、Kudo Takashi
    • 雑誌名

      Health Physics

      巻: 126 号: 4 ページ: 207-215

    • DOI

      10.1097/hp.0000000000001793

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Optimizing cardiac amyloidosis assessment: utility of 1-h and 3-h 99mTc-PYP imaging2024

    • 著者名/発表者名
      Imakhanova Aiganym、Ideguchi Reiko、Kawano Hiroaki、Maemura Koji、Kudo Takashi
    • 雑誌名

      European Journal of Medical Research

      巻: 29 号: 1

    • DOI

      10.1186/s40001-023-01629-y

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Practice recommendation for measuring washout rates in 123I-BMIPP fatty acid images2023

    • 著者名/発表者名
      Nakajima Kenichi、Miyauchi Hideyuki、Hirano Ken-ichi、Fujimoto Shinichiro、Kawahito Michitomo、Iimori Takashi、Kudo Takashi
    • 雑誌名

      Annals of Nuclear Medicine

      巻: 38 号: 1 ページ: 1-8

    • DOI

      10.1007/s12149-023-01863-8

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Reduction of thyroid radioactive iodine exposure by oral administration of cyclic oligosaccharides2023

    • 著者名/発表者名
      Nishi Kodai、Hirota Masahiro、Higaki Shogo、Shiraishi Shinya、Kudo Takashi、Matsuda Naoki、Ito Shigeki
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 号: 1 ページ: 6979-6979

    • DOI

      10.1038/s41598-023-34254-0

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Assessment of Interobserver Agreement in the Interpretation of <sup>99m</sup>Tc-PYP SPECT Imaging of Cardiac Amyloidosis2023

    • 著者名/発表者名
      Imakhanova Aiganym、Ideguchi Reiko、Chiba Akiyo、Kudo Takashi
    • 雑誌名

      Annals of Nuclear Cardiology

      巻: 9 号: 1 ページ: 48-53

    • DOI

      10.17996/anc.23-00004

    • ISSN
      2189-3926, 2424-1741
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 認知症診療におけるアミロイドPET撮像について2024

    • 著者名/発表者名
      工藤 崇
    • 学会等名
      レケンビ適正使用セミナーin長崎
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 褐色細胞腫によって褐色脂肪組織への集積が亢進したと考えられた1例2024

    • 著者名/発表者名
      井手口 怜子、工藤 崇、東家 亮
    • 学会等名
      第59回日本核医学会九州地方会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] FFRCT時代の虚血診断 ~心臓核医学の使い方~2023

    • 著者名/発表者名
      工藤 崇
    • 学会等名
      Miyazaki Cardiac Imaging Conference
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 心アミロイドーシスの マルチモダリティ診断:核医学2023

    • 著者名/発表者名
      工藤 崇
    • 学会等名
      第63回日本核医学会学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Clinical significance of 18F-FDG-PET / CT parameters for the prognosis of early cancer2023

    • 著者名/発表者名
      アルマン ネシプハン、工藤 崇
    • 学会等名
      第63回日本核医学会学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 心臓核医学における情報技術~コンピューター支援診断とAIの有用性~2023

    • 著者名/発表者名
      工藤 崇
    • 学会等名
      第12回長崎循環器画像研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 心筋血流シンチグラフィの読影の基礎~読影しやすい画像とは~2023

    • 著者名/発表者名
      工藤 崇
    • 学会等名
      第22回熊本核医学技術研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 心アミロイドーシスの診断:核医学の有用性とピットフォール2023

    • 著者名/発表者名
      工藤 崇
    • 学会等名
      心臓核医学Webセミナー ~心アミロイドーシスを見逃さない~
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Lecture: Positron Emission Tomography: FDG and beyond2023

    • 著者名/発表者名
      工藤 崇
    • 学会等名
      XVI International Scientific and Practical Conference ?Ecology. Radiation. Health? Named after B.A. Atchabarov Dedicated to the 70th Anniversary of Semey Medical University
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] FFRCT時代の心臓核医学 ~コンピューター支援診断の有用性~2023

    • 著者名/発表者名
      工藤 崇
    • 学会等名
      第31会日本心血管インターベンション治療学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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