研究課題/領域番号 |
23K07092
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
山本 由美 東北医科薬科大学, 薬学部, 助教 (70613446)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | COX-2 / ニメスリド / イメージング / 安定性 / 標識合成 / PET |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、申請者が見出した新規ニメスリド誘導体に着目し、COX-2イメージング剤の開発を行うことを目的としている。 申請者のこれまでの研究において、ニメスリド誘導体は有力なCOX-2イメージング剤候補化合物であることを明らかにしてきたが、これらの多くは生体内での安定性に不足があり、COX-2の発現や分布を経時的にイメージングするに至っていない。そこで本研究では、安定性の高さがすでに明らかになっているニメスリドヨウ素誘導体を用いた評価を進めるとともに、新たに設計した新規ニメスリド誘導体を合成し評価することで、ニメスリド誘導体のCOX-2イメージング剤としての有用性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、代表者が見出した新規ニメスリド誘導体に着目し、国内外において未だ開発途上であるCOX-2イメージング剤の開発を行うことを目的としている。 代表者のこれまでの研究において、ニメスリド誘導体がin vitro/in vivoともにCOX-2イメージング剤として良好な挙動を示すことを明らかにしてきたが、これらの多くは、生体内での安定性に不足があり、投与後徐々に代謝・分解されてしまうことで、「COX-2の分布を経時的に追跡する」という観点でのイメージングには至っていない。本研究を通して、安定性の高いニメスリド誘導体はCOX-2を経時的にイメージング可能なのか、安定性の向上を期待した化合物の新たな設計戦略は正しいのか、新たに設計した新規ニメスリド誘導体はCOX-2イメージング剤として有用なのか、といった課題を検証し、解決するものである。 当該年度において、新規ニメスリド誘導体2種の合成とin vitro評価、1種のF-18標識合成とin vivo評価を実施した。新たに設計した2種のニメスリド誘導体の合成に成功し、どちらもCOX-2に対する高い選択的阻害活性があることを明らかにした。このうち1種のF-18標識合成に成功し、in vivo評価を行ったところ、マウス生体内で非常に安定であり、「安定性の向上を期待した化合物の新たな設計戦略」が正しいことが示された。 現在は2種のニメスリド誘導体に関して「安定性の高いニメスリド誘導体はCOX-2を経時的にイメージング可能か」について評価を続けるとともに、1種の新規ニメスリド誘導体のF-18標識合成条件の検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度では、「125I標識ニメスリドヨウ素誘導体の腫瘍モデル評価」「新規ニメスリド誘導体の合成とin vitro評価」を計画した。具体的には、125I標識ニメスリドヨウ素誘導体の、HCA-7 colony29細胞(COX-2高発現)あるいはHT-29細胞(COX-2低発現/negative control)を植えた腫瘍モデルを用いた評価を行うことと、評価に使用する新規ニメスリド誘導体の合成を行い、COX-2に対する阻害活性評価、脂溶性評価、細胞膜に対する透過係数測定などの基礎的評価を行うことである。 前者に関しては、腫瘍モデル動物の用意ができず未実施である一方で、後者に関しては予定通り合成、および評価を実施した。 さらに、2024年度の実施を計画していた「新規ニメスリド誘導体のin vivo評価」を先行して実施した。具体的には、標識合成後、正常マウスを用いたin vivo生体内分布、阻害実験、代謝物分析、PET撮像などの基礎的評価を行うことである。 当初2023年度に実施予定であった計画のうち「125I標識ニメスリドヨウ素誘導体の腫瘍モデル評価」が未実施である代わりに、2024年度に実施予定であった「新規ニメスリド誘導体のin vivo評価」を前倒しで実施し、研究期間全体の達成率は順調であることから、(2)おおむね順調に進展している、と判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度に計画していた「新規ニメスリド誘導体の合成とin vitro評価」「新規ニメスリド誘導体のin vivo評価」の7割程度は既に2023年度に前倒しして実施済みである。 そこで2024年度は、2023年度に未実施であった「125I標識ニメスリドヨウ素誘導体の腫瘍モデル評価」を中心に推進していく予定である。 具体的には、125I標識ニメスリドヨウ素誘導体の、HCA-7 colony29細胞(COX-2高発現)あるいはHT-29細胞(COX-2低発現/negative control)を植えた腫瘍モデルを用いた評価を行う。 並行して、2024年度計画のうち未実施の、新規ニメスリド誘導体1種のF-18標識合成および、「新規ニメスリド誘導体のin vivo評価」も進めることで、2024年度までに実施予定であった当初の研究計画を満たす予定である。
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