研究課題/領域番号 |
23K07107
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
菅 博人 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (80789305)
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研究分担者 |
打田 佑人 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (20834261)
樋渡 昭雄 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30444855)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 定量的磁化率画像 / 磁化率分離 / 血液脳関門 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢とともに深部灰白質や大脳皮質に鉄沈着が起こり,アルツハイマー病などの華麗性神経変性疾患と関連している.しかし「なぜ鉄沈着が起こるのか?」という疑問は解けていない.一方,血液脳関門のバリア機構や物質輸送機能も加齢に伴って障害されることが知られている.そこで本研究では「血液脳関門の機能障害が鉄沈着を引き起こす」という仮説を立て, MRIを用いて血液脳関門の水透過性を評価することを考えた.加齢性の神経変性疾患にMRIを用いて血液脳関門の水透過性の評価法を応用すべく,画像解析手法の開発を含めた健常人の加齢に伴う脳局所の鉄沈着と血液脳関門の水透過性の関係を解明する.
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研究実績の概要 |
本研究では「血液脳関門の機能障害が鉄沈着を引きおこす」という仮説を立てて,MRIを用いて非侵襲的に血液脳関門の水透過性および脳局所の鉄沈着の関係と加齢による影響を調べることを目的としている.本研究の成果は加齢性神経変性疾患の病態解明につながる可能性がある.本年度は血液脳関門の水透過性を調べるための撮影方法の最適化および,脳局所の鉄沈着をより正確に計測するために,MRIの位相画像に加えて緩和時間測定を組み合わせた磁化率分離法の開発を行った.磁化率分離法は,従来の定量的磁化率画像において生じる磁性の違う磁化率源が同一ピクセルに存在していた場合に相殺してしまう問題を解決することができる.さらに今回新たに開発した方法はこれまでに収集した定量的磁化率画像のデータにも適応可能であるため,非常に汎用性の高い手法であり本研究においても活用する予定である.新たに開発した手法は現在,論文投稿中である.またそれと関連して脳白質繊維とMRIの静磁場の角度によって,脳白質の緩和時間が変わる現象を調査した.これは白質のミエリンによって引き起こされ,本研究においても磁化率分離法から得られる値から白質の鉄沈着を評価する際にはミエリンとの関係をよく考察する必要があることが分かった.一方,血液脳関門の機能を評価するための撮影シーケンスの最適化がやや遅れており,ボランティアを1名しか撮影できていないため当初の予定であったデノイジングConvolution neural networkの作成が行えていない.2024年度はこれらの画像解析手法の開発および様々な年齢層のボランティア撮影を進めていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
脳の鉄沈着をより正確に評価する手法の開発はできたが,血液脳関門の水透過を評価する手法の最適化,開発が行えていない.それは2023年度初頭,研究協力施設への立ち入りが新型コロナウイルスの影響で制限されており,手法の最適化を効率よく行えず,1名のボランティア撮影にとどまっており,研究の進捗はやや遅れている状況である.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は血液脳関門の機能評価を行う撮影法の最適化を行い,それをもとに必要な画像処理法の開発を行う.それと同時に様々な年齢層のボランティアの撮影を進めていく.
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