研究課題/領域番号 |
23K07114
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
椋本 宜学 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (50736618)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 高精度放射線治療 / 適応放射線治療 / 医学物理 / 呼吸性移動 / 放射線治療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は難治性である進行がんにおいて問題となる腫瘍およびリスク臓器の照射中の非剛体性変化に対して高品質に適応させる高精度放射線治療システムを開発する。回転型強度変調放射線治療において、初期治療計画を単純化し、照射中および治療期間中の非剛体性変化に対し、3D非剛体変形ベクトルマップを逆投影法により照射野形状へ直接適応させることで、マージンを排除した新たな高精度放射線治療システムを開発する。拡張領域が削減できれば腫瘍とリスク臓器が空間的に分離することになり、腫瘍とリスク臓器境界領域において線量分布が革新的に向上する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、難治性である進行がんにおいて問題となる腫瘍およびリスク臓器の照射中の非剛体性変化に対して高品質に適応させる高精度放射線治療システムを開発することである。難治性である進行がんにおいては、放射線感受性の高いリスク臓器が標的に広範囲に近接することが多く、体内の非剛体性変化に対して拡張領域であるマージンを付与するため空間的に線量を増加したい領域と低減したい領域が重複する。本研究は、回転型強度変調放射線治療において、初期治療計画を単純化し、照射中および治療期間中の非剛体性変化に対し、3D非剛体変形ベクトルマップを逆投影法により照射野形状へ直接適応させることで、マージンを排除した新たな高精度放射線治療システムを開発する。 今年度は、照射中の腫瘍位置情報をリアルタイムに捉えるための複数断面の2DシネMR画像から、AIを用いて3DシネMRIを再構成するシステムを開発し、標的の非剛体性変化を捉えることを可能にした。 また、リアルタイムモニタリングMR画像では、高速化のためコントラストを犠牲にしている。そのため、特に腹部腫瘍においては、腫瘍位置が視認困難となる。撮影パラメータを最適化することで、時間分解能を呼吸性移動が監視可能な限界まで落とし、コントラストを最大限向上させた高コントラストシネMR画像を用いることで、腫瘍の呼吸性移動を視認可能とした。高コントラストシネMR画像に対し、照射範囲やリスク臓器を合成表示することで、腫瘍による照射位置精度が直接確認可能なシステムを新たに開発し、本技術に関する特許申請を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、照射中の腫瘍位置情報をリアルタイムに捉えるための複数断面の2DシネMR画像から、AIを用いて3DシネMRIを再構成するシステムを開発し、標的の非剛体性変化を捉えることを可能にした。また、リアルタイムモニタリングMR画像では、高速化のためコントラストを犠牲にしているため、特に腹部腫瘍においては、腫瘍位置が視認困難となるが、撮影パラメータを最適化させた高コントラストシネMR画像を用いることで、腫瘍の呼吸性移動を視認可能とした。さらに、高コントラストシネMR画像に対し、照射範囲やリスク臓器を合成表示することで、腫瘍による照射位置精度が直接確認可能なシステムを新たに開発し、本技術に関する特許申請を行った。研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は照射中の非剛体性変化に高い適応可能性を持つVMAT治療計画作成法を開発し、照射中の非剛体性変化にも対応可能なリアルタイム応答性が高く、MLCの制御限界の制限強化にも対応した適応放射線治療システムを開発する。
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