研究課題/領域番号 |
23K07146
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 秋田県立循環器・脳脊髄センター(研究所) |
研究代表者 |
茨木 正信 秋田県立循環器・脳脊髄センター(研究所), 放射線医学研究部, 主任研究員 (40360359)
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研究分担者 |
松原 佳亮 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (40588430)
篠原 祐樹 秋田県立循環器・脳脊髄センター(研究所), 放射線医学研究部, 主任研究員 (60462470)
木下 俊文 秋田県立循環器・脳脊髄センター(研究所), 放射線医学研究部, 副病院長 (70314599)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | PET / 酸素15 / 脳循環評価 / 到達時間マップ / 高空間分解能 / 高時間分解能 |
研究開始時の研究の概要 |
PET(陽電子断層撮影)では生体機能を非侵襲的に測定可能であるが、用いられる測定・解析方法は長らく装置性能の限界で制限されてきた。本研究では、脳血管障害の病態把握に対する有用性で知られる酸素15(15O)標識ガスPETに対し、近年臨床利用可能となった高空間・高時間分解能を有する最新半導体型PET装置を用いた、1) 脳循環代謝マップの高空間分解能化、2) 高時間分解データによる新しい血管内血行動態解析法の開発を行う。最終的に、主幹脳動脈狭窄・閉塞症への適用を通して提案手法の有用性を示す。
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研究実績の概要 |
PET(陽電子断層撮影)では生体機能を非侵襲的に測定可能であるが、用いられる測定・解析方法は長らく装置性能の限界で制限されてきた。本研究では、脳血管障害の病態把握に対する有用性で知られる酸素15(15O)標識ガスPETに対し、近年臨床利用可能となった高空間・高時間分解能を有する最新半導体型PET装置を用いることにより、新たな価値を付加するものである。 今年度は、ダイナミック解析により吸入15Oガスの到達時間マッピングを試み、CT造影剤による灌流測定(CTP)との対比を通してその妥当性の検証を行った。 対象は、短時間15Oガス吸入PETおよびCTPの両検査が行われた、片側性主幹脳動脈閉塞症例(n=10)である。臨床ルーチン処理によるCBF、CBV、OEFに加え、[15O]-CO2短時間吸入時のダイナミックデータ(初期相:2 sec再構成)から局所到達時間(Dt)を導出する。2つの解析モデル(動脈成分Vaの有無)に対し、最適化された重み付き最小二乗法を適用した。得られたDtマップを、CTPによるタイミングパラメータマップ(Tmax)と比較した。大脳皮質中大脳動脈域に関心領域を設定し、Dtの患側-健側差を求めた。 全例のDtマップにおいて、患側における到達遅延が明瞭に観測され、CTPタイミングマップ(MTT、Tmax)で見られる遅延領域との対応は良好であった。半導体型高感度PET装置と短時間15Oガス吸入データに対するダイナミック解析により、到達時間マッピングが可能である。従来15OガスPETで得られる各種脳循環パラメータを補完するものであり、病態評価への応用が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の申請段階においては、主目的を 1) 脳循環代謝マップの高空間分解能化、 2) 高時間分解データによる新しい血管内血行動態解析法の開発、 と設定し、最終的に、主幹脳動脈狭窄・閉塞症への適用を通して提案手法の有用性を示すこととした。 今年度行った研究は、主に2に分類されるものであり、国内学会発表を行った。 現在、詳細検討を加え論文化作業を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
1.上記記載のPETによる到達時間マッピングの妥当性検証に関する詳細検討を行い、論文を投稿する。 2.脳循環代謝マップの高空間分解能化に関する研究を進める。当該使用装置における脳内微小構造計測に関する検討をすでに行っており、これを発展させる形での検討を加える予定である。
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