研究課題/領域番号 |
23K07151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
伊藤 巧一 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (90398579)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 放射線曝露 / 被ばく医療 / 臍帯血 / 繊維芽細胞移植 / 間葉系幹細胞 / 自己造血機能回復 / 臍帯血移植 / 自己造血回復 |
研究開始時の研究の概要 |
東日本大震災に伴う東京電力・福島第一原子力発電所事故以降、国内に存在する原発は再稼働または廃炉の選択に迫られている。いずれにせよ、その作業過程で生じうる不慮の放射線被ばく事故に対する医療体制の確立は、安心・安全な社会構築のために国家レベルで取り組むべき最重要課題である。本研究では、核施設周辺住民および核関連施設従業員の大量放射線被ばく事故を想定し、事故で失われた自己造血機能の回復を目指した治療法の開発に取り組む。本研究では臍帯血から未分化細胞を分離し、この細胞を移植することで自己造血機能回復を誘導する。さらにこの細胞を増殖培養することができれば、供給面でより安定した移植ソースとなり得る。
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研究実績の概要 |
東日本大震災に伴う東京電力・福島第一原子力発電所事故以降、国内に存在する原発は再稼働または廃炉の選択に迫られている。いずれにせよ、その作業過程で生じうる不慮の放射線被ばく事故に対する医療体制の確立は、安心・安全な社会構築のために国家レベルで取り組むべき最重要課題である。本研究では、核施設周辺住民および核関連施設従業員の大量放射線被ばく事故を想定し、事故で失われた自己造血機能の回復を目指した新たな治療法の開発に取り組む。本研究では新たな治療法として、臍帯血から自己造血機能回復に寄与する細胞を分離し、この細胞を移植することでより効率的に自己造血機能回復を誘導する。さらにこの細胞を増殖培養することができれば、供給面でより安定した移植ソースとなり得る。本研究は、被ばく医療の中でも最悪の事態に対応する治療法の確立と位置付けられる。 初年度の研究成果として、臍帯血には接着性を有する繊維芽細胞が豊富に含まれており、細胞表面マーカー解析の結果、間葉系幹細胞に類似していることが示された。成長因子を添加することで容易に増殖することもできた。さらに小規模であるが、この細胞を致死量放射線曝露個体に移植したところ、半数で救命効果が認められた。さらなる詳細な検証から、この細胞の放射線曝露個体に対する救命効果のメカニズムを明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の課題に則した結果が得られつつあることから、現在までの進捗状況は概ね順調と言える。
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今後の研究の推進方策 |
臍帯血から誘導された繊維芽細胞がどの階層に位置する幹細胞かを細胞表面マーカー解析ならびに細胞内シグナル伝達物質を指標に明らかにする。また、造血系サイトカインや種々の成長因子の産生についても解析する。 本研究の目標はこれら繊維芽細胞移植による致死量放射線曝露個体の救命であるが、救命効果が明らかになった場合には、曝露個体の造血機能回復に加え、消化管系の修復について解剖学的に観察すると共に、その修復メカニズムについて遺伝子レベルで解明していく予定である。
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