研究課題/領域番号 |
23K07153
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
北原 均 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (40402721)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | super resolution / deep learning / artificial intelligence / lung / phantom / ファントム実験 / ハニカム / 3Dプリント / 超高精細CT / 人工知能 / 深層学習 / 3Dプリンター / 伸展固定肺 |
研究開始時の研究の概要 |
2017年に超高精細CT(U-HRCT)が登場し、従来のCTに比べて高コントラスト分解能(装置の性能を表します)が著しく向上しましたが、実際に得られる肺の画像は従来とさほど変わらないものでした。我々は人工知能の原理を用いることで、U-HRCTのもつ潜在的な能力を引き出すことに実験的に成功しました。我々はこの画像をvirtual U-HRCTと呼んでいます。このvirtual U-HRCTの臨床応用に向けて、まず臨床的には非現実的な高コントラスト分解能ではなく、実際の撮像に近い低コントラスト分解能の評価を行い、次にヒト伸展固定肺(標本)を用いて肺微細構造の描出可能範囲を検討します。
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研究実績の概要 |
人工知能により画像再構成を行ったvirtual U-HRCT(2048)では、肺のより微細な構造が描出される可能性が示唆されたが、実際にどれぐらいのサイズの構造が正確に描出されているのかが不明であるため、それを明らかにするのが本研究の目的である。伸展固定肺のソフテックス写真とvirtual U-HRCT(2048)を比較し、肉眼所見はほぼ同等であることを確認した。しかしソフテックス写真の実体顕微鏡像では、virtual U-HRCT(2048)では描出されていない微細構造があることが明らかとなった。またvirtual U-HRCT(2048)で見えているものは、より細かな構造の集合体であることが示唆された。つまりvirtual U-HRCTで見えている最小の構造体は、多数のより小さな構造体の寄せ集めが1ピクセルに収まって表示されている合成像で、必ずしも実在する解剖学的構造ではないことが明らかになり、これらを直接計測することの意義に疑問が生じた。そこで代替案として、肺の微細構造を模した各サイズのハニカムファントムをマイクロ3Dプリンターで作成し、それらを撮影することで、virtual U-HRCT(2048)の描出能を評価することとした。まずは材料となる樹脂のCT値計測を行い、できるだけ生体に近いものを選択した。次に、呼吸器の代表的な構成組織を考慮し、細気管支から肺胞にいたるまでの各構造を代表するハニカムのサイズを決定した。そして専門業者に作成を依頼した。ただし肺胞サイズのハニカムはマイクロ3Dプリント技術の限界で、精度がやや劣るものとなった。完成したハニカムファントムをU-HRCT装置で撮影し、人工知能を用いない状態でどの程度のサイズまでが描出可能か評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画の最初の段階の実行が困難であり計画をすこし変更したこと。 ハニカムファントム作成のための検討および造形に時間を要したこと。
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今後の研究の推進方策 |
我々の先行研究で用いた人工知能によるU-HRCTのsuper resolution法を用いてハニカムファントムのU-HRCTを高解像化し、描出能の向上を評価する。なお画像のFOVは先行研究では200㎜としていたが、今回は100㎜でもトライし、より詳細な画像が得られるかどうかの検討も行う。
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