研究課題/領域番号 |
23K07181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松永 和人 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20347602)
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研究分担者 |
平野 綱彦 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (00382333)
椎木 健裕 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (30610456)
村田 順之 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30896824)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 喘息 / 活動制限 / 定量的吸気呼気CT / 身体活動量低下 / density analysis / parametric response map |
研究開始時の研究の概要 |
喘息治療の進歩により生命予後が改善したにも関わらず、症状が残存し日常生活が制限される重症喘息患者が未だに存在する。原因として治療抵抗性の気流制限による息切れが考えられ、機序解明は重要課題である。近年、気道・肺の構造と機能を同時に画像評価できる肺機能画像が開発されており、特に吸・呼気胸部CTにより気流制限の局在や成因を可視化・定量評価するシステムを我々は構築してきた。それにより気道・肺の構造や機能と重症喘息の活動制限の関係を明らかにし、重症喘息の機序解明や新たな診断基準の提案が可能となる。そして個別の診断・治療支援システムを確立することで、活動制限の改善など診療の効率向上に寄与することができる。
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研究実績の概要 |
重症喘息患者においては、症状が残存し、活動性制限がみられる患者が一定数存在するが、その原因に対する病態生理学的機序の解明はまだ十分ではない。我々は本研究において、気流制限の局在や成因を可視化・定量化しうる定量的吸気呼気CTを用いたdensity analysisやPRM(parametric response map)などを用いて、その機序の解明を目指していくことを目標としている。その目標に向けて、現在、当院および他施設における20歳以上の喘息患者で、呼吸機能を含めた臨床データと3軸加速度計を用いた身体活動量を測定しており、全例ではないもののCTを施行できた症例を集め、吸気呼気CTによるdensity analysisやPRM解析を進めており、患者背景・肺機能検査などの臨床パラメーターと画像解析の結果の関連を検討中である。当院における44例(健常者13例・喘息患者 31例)と、他施設も含めた喘息患者 90例においてPRM解析と身体活動量の関連を検討したところ、機能的末梢気道病変(fSAD)が高強度の運動との関連があることが示された。これはPRM解析におけるfSADが身体活動と関連している可能性を示し、身体活動量の評価における有用なイメージングバイオマーカーになりうると考えられ、また活動制限の原因やその予防に関する介入点になりうることから、さらに詳細な解析を進めていく予定である。また生物学的製剤導入後のデータも集積して、経時的な活動制限の変化と画像解析結果との関連を検討している。また他施設との共同研究において喘息の活動制限における多様性も報告しており、その表現型の中で活動制限と画像の関連についても検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところ、当院における喘息患者・健常者の臨床・画像データに加え、当院以外の施設からも喘息患者の情報を個人情報を匿名化して集積しており、症例数を増やして解析を行うことができている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究遂行にあたり、生物学的製剤による治療介入が喘息患者の活動制限にもたらす影響や、画像上でどのように変化をもたらすかを解析するため、生物学的製剤を使用した患者における臨床データや活動量を集積していく予定である。
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