研究課題/領域番号 |
23K07189
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
萩原 彰文 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20768535)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 3D synthetic MRI / MRI / ミエリン / 多発性硬化症 / multi-parametric / neurological disorders / deep learning |
研究開始時の研究の概要 |
Multi-parametric定量MRIは、客観的に測定・評価が可能で、個々の患者の状態にあわせた医療を提供することを可能とする点で従来法のMRIと異なる。本研究では、Multi-parametric定量MRIの再現性の確立、合成MRIの画質向上、定量値の臨床的有用性や解析手法の確立を目的とする。本研究の成果によって、個々人の主観に頼っていた画像による疾患のフォローや治療効果判定の定量化を推進することが可能となる。
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研究実績の概要 |
①昨年度は3D synthetic MRIの撮像をCanon機においてDeep learning reconstruction によるdenoisingを併用しつつ行った。MRI学会ではdeep learning reconstructionのsynthetic MRIで得られる定量値に対する影響に関する報告を行った。 ②Canon機において健常ボランティアや多発性硬化症患者を撮像し、Synthetic MRIから作成したミエリンマップと、他の代表的なミエリンイメージング手法であるihMTやmyelin water imagingから作成したミエリンマップとの比較を行った。結果、3D synthetic MRIのmyelin volume fractionとihMTの間には強い相関が得られたが、myelin water imagingと他のマップの相関はそれよりも低かった。この傾向は健常者、多発性硬化症患者いずれも同様の傾向であった。これらの結果は、健常者、患者でも確認でき、いずれもミエリンの異なる側面を計測しているためと考えられた。 ③多発性硬化症では脳表から進行する炎症性変化のプロセスがあり、側脳室周囲白質の障害に脳室側優位の勾配があることが知られている。この勾配の程度を評価したperiventricular gradient mapの有用性が示されているが、現在まではmagnetization transfer ratioやT1 mapなど非特異的なイメージングでの評価しか報告されていない。そこで、Synthetic MRIのミエリンイメージングを用いて健常者、再発型多発性硬化症、二次進行型多発性硬化症における脳室周囲勾配のミエリン量の評価を行った。結果、MSにおける脱髄の影響は脳室近傍でより顕著であり、ミエリンの損傷の勾配は臨床的な障害と関連しているようであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で示したとおり、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
新たなPhilips MRI撮像機が順天堂に導入され、denoisingのためのdeep learning reconstructionが実装されている。こちらのシークエンス調整を行い、脳腫瘍や多発性硬化症を中心として実際に撮像をおこなっていく。
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