研究課題/領域番号 |
23K07194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
門前 一 近畿大学, 大学病院, 教授 (10611593)
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研究分担者 |
土井 啓至 近畿大学, 医学部, 講師 (50529047)
久保 和輝 近畿大学, 大学病院, 助教 (10976989)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 放射線治療 / ボーラス / 電子線 / 熱可塑性 / 表在性腫瘍 / ブースト / 放射線治療ボーラス / 患者固定具 / 熱可塑性素材 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は数年前から放射線治療補助具の開発に取り組み、国内で患者固定ロックバー、放射線低吸収ボード、定位用固定具、低吸収頭部ピロー、温度可変型タングステン放射線防護材を開発、特許(公開)取得、上市、臨床使用まで実践した経験がある。今回、我々が長けている温度感応性材料(熱可塑性)とゴム・樹脂の配合を駆使して、1. 患者への密着性が高い、2.リアルタイムに成形が可能、3. 高い透明性、4. 再利用可能、5.治療計画時のCTで使用可能である先進的な放射線治療用のボーラスと患者固定具(シェル)の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
次世代型低温可塑性ボーラスの開発では2021年に約50℃の温水または加温にて自由に成形できる可変型ボーラス(ソフトラバーボーラス)を開発、Phys Med Biol. に英語論文として発表した。しかし、成型時の温度を高く使用時に火傷に注意が必要、そして白濁(透明性がない)により患部が見えない等の欠点があった。今回の開発研究では、他のボーラス(ゲルボーラス、樹脂ボーラス、ソフトラバーボーラス、金属ボーラス)の欠点をすべて補い、唯一無二のボーラスを開発することである。先述のソフトラバーボーラスに含まれる熱可塑剤をはじめとする組成の見直しに取り組み、組織等価物質であり、透明性、再利用性、密着性に優れ、43度程度で自由に形成できるなど、臨床で使用可能な理想的なボーラスの開発に成功した。本内容はPhys Med Biol.2023 5月号に掲載され、米国放射線腫瘍学会(ASTRO2023)にも採択、サンディエゴにでポスター発表した。現在は医療機器クラスⅠの薬事を申請中である。また倫理委員会の承認を得て実際の臨床にも使用されつつある。次世代型患者固定具の開発では既存の固定具材質に抗菌作用などを加え、以下の項目で既製品より優る純国産品の開発を目指している。1.軟化温度を湯温約55℃以下。2.加温→冷却に伴う収縮 3.固定具の成形 4.粘着性 5.伸び 5の項目以外は外国製品と同等もしくは優るものが完成している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
次世代型低温可塑性ボーラスの開発は論文発表もすでに行っており、国内特許を取得し、PCT申請中である。また、現在薬事申請準備中であり、臨床使用も開始している。次世代型患者固定具の開発も進進んでおり、材質が決まれば、論文化、特許を申請する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
ボーラス:1.薬事承認得る。2.臨床症例を増やす。3.体表面画像誘導放射線治療(SGRT)に使用できる材料のボーラスの試作に取り組む。固定具:1.軟化温度を湯温約55℃以下。2.加温→冷却に伴う収縮 3.固定具の成形 4.粘着性 5.伸びの面で世界を凌駕する材料を特定し、論文発表、特許の申請までを残りの2年以内に行う予定。
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