研究課題/領域番号 |
23K07208
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大屋 夏生 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (70281095)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 定位放射線治療 / 転移性脳腫瘍 / 生物学的実効線量 / LQC model |
研究開始時の研究の概要 |
定位放射線治療は、転移性脳腫瘍に対する治療法の一つとして、実診療現場に広く普及してきた。 近年、全身薬物療法などの普及により、転移性脳腫瘍の放射線治療後の生存期間は大幅に延長してきたため、照射後の長期制御効果や認知機能低下および脳壊死など晩発性放射線障害が、よりクローズアップされる時代となった。 転移性脳腫瘍の多様な病態に合わせてフレキシブルに線量分割を設定し、長期的な病巣制御と晩発障害回避の両立を目指すために、LQC model(直線平方立方モデル)を導入したBED(生物学的実効線量)-based SRT(定位的放射線治療)を確立したい。
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研究実績の概要 |
転移性脳腫瘍に対して定位放射線治療を施行した症例を対象とする。多様なサイズや腫瘍占拠部位を示すすべての患者に対して、一律の腫瘍制御効果が期待できるような線量分割設定を確立することを目的としている。BEDを固定した線量分割をSRTに適用し、その治療成績を解析することを目的とする。2009年以降にBED-LQ=80 GyでSRTを施行した症例群と、それ未満のBED-LQでSRTを施行した症例群を合わせた約600症例の約1800病変において、腫瘍サイズ、腫瘍占拠部位などの患者側因子、線量分割などの治療関連因子、腫瘍制御、生存、および脳壊死の発現などの治療効果・有害事象を診療録、治療計画画像、治療後の画像評価を参照することで、データ収集・解析を行っている。特に脳壊死の評価は重要であり、治療時期の異なる症例群間でバイアスが発生しないように、評価方法の統一を重視して解析している。現時点では、大半の症例において基礎的データの収集が終了しており、5年局所制御が95%以上であることが判明している。また、本研究で対象とした600症例の生存期間中央値は約32ヶ月であり、2009年以前の300症例を対象とした同施設における過去の研究の18ヶ月と比べて、大幅に延長していることが示された。今回の研究において、BED-LQの異なる2群の間の比較は完了していないが、両群の約5年の時間差に由来する患者背景因子、BED以外の治療関連因子の解析も重要な課題と考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集・解析の進捗が想定した範囲であるため。
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今後の研究の推進方策 |
LQC model(直線平方立方モデル)を導入したBED(生物学的実効線量)-based SRT(定位的放射線治療)の確立にむけて、さらにデータ収集・解析を進める。
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