研究課題/領域番号 |
23K07214
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山田 祥岳 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (60383791)
|
研究分担者 |
山田 稔 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (60365434)
横山 陽一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (20936744)
井上 政則 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30338157)
鈴木 達也 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70627166)
山川 裕之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80465020)
遠藤 維 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (40599073)
陣崎 雅弘 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (80216259)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | CT / 立位 / 座位 / 画像 / 加齢 / computed tomography / 健康寿命 / 病態解明 / 解明 |
研究開始時の研究の概要 |
現在の通常のCTは臥位で撮影するため、ヒトの日常生活の状態(立位/座位) を反映しておらず、立位/座位での様々な病態を3次元的に画像化できていなかった。そこで我々は産学共同で320列立位CTを開発し、当施設に世界第1号機を導入した。これまでの初期検討により、立位と臥位で解剖学的構造や各種病態はかなり異なる事が分かった。この初期結果をふまえ、本研究では、新たな診断機器である立位CTを用いて、立位荷重下でより顕著となる加齢性変化や各種病態を画像的に解明しつつ、立位/座位での新たな疾患早期検出法の確立を目指す。そして立位CTによる早期診断により、超高齢社会における健康寿命の更なる延伸、生活の質の向上を目指す。
|
研究実績の概要 |
1.変形性膝関節症の評価には、体重負荷下でのX線撮影における2次元(2D)冠状関節線方向が広く用いられているが、脛骨回旋の影響については不明な点が多かった。そこで立位CTを用いて、床面に対する3次元(3D)関節面を新たに定義したところ、3D関節面の向きは、2D冠状関節線の向きとは相関しないことが分かり、論文報告をした(Knee 2023;43:10-7)。この結果は、現在の2D評価を再考すべきであることを示唆している。2.下肢のアライメントの指標として最も広く用いられているのは、体重を支える姿勢で大腿骨頭と足関節の中心を通るmechanical axis(MA)である。しかし、MAが3次元的にどこを通るのかは不明であったため、立位CTを用いて変形性膝関節症におけるMAの3次元的な位置(3D-MA)を検討したところ、3D-MAはOA膝の進行に伴い内側後方に移動することが分かり、論文報告をした(Jpn J Radiol 2023;41:1405-13)。3.立位CTを用いて、仰臥位と立位における解剖学的心軸と心電図軸の関係を明らかにし、論文報告をした(Sci Rep 2023;13:18170)。4.再発性膝蓋骨脱臼患者において、内側膝蓋大腿靭帯(MPFL)再建術を併用した遠位再調整の必要性を判断するために、脛骨結節-距骨溝間距離(TT-TG)が広く用いられているが、立位CTを用いて検討したところ、立位荷重負荷状態におけるTT-TG距離は、従来のTT-TG距離よりも大きいことが分かり、論文報告をした(Knee 2024;48:14-21)。この結果は、膝蓋骨不安定症に対するMPFL再建術に影響を及ぼす可能性がある。5.臥位と座位で外頚静脈と板間静脈の形態の違いを明らかにし、論文報告をした(Neuroradiology 2024 in press)。6.健常人に対して立位CTと座位CTを撮影して検討したところ、男性より女性の方が骨盤と仙骨の可動性が大きいことが示され、論文報告をした(Sci Rep 2024;14:9154)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複数の査読付き英語論文発表を行えているため。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、臨床各科との連携を密にして、様々な疾患における立位での各種病態を画像的に解明していく。また、呼吸機能・嚥下機能・排尿機能・歩行機能含めた各種運動機能など、立位CT(立位四次元CT)を用いた機能に関する評価も進めていく。
|