研究課題/領域番号 |
23K07225
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
窪田 拓生 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40629135)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 小児内分泌学 / 骨代謝学 |
研究開始時の研究の概要 |
骨の形成過程は、主に骨芽細胞分化、I型コラーゲンの合成、石灰化の過程からなるが、各過程の調節機構は十分には明らかではない。易骨折性を特徴とする骨形成不全症(OI)は主にI型コラーゲンの異常によって発症し、重症OIではI型コラーゲンの質的異常が骨脆弱性、骨芽細胞機能障害の原因とされている。骨量増加におけるWnt/β-cateninシグナル経路の重要性が明らかにさている。本研究ではヒトOI骨芽細胞・骨細胞におけるWnt/β-cateninシグナルプロファイル、同シグナルによる骨形成促進・骨吸収抑制作用の受容を明らかにする。本研究結果はOIや骨粗鬆症患者への応用につながる可能性がある
|
研究実績の概要 |
重症骨形成不全症(OI)は有効な治療法がなく、新規治療法の開発が求められている。骨細胞は骨形成・骨量・骨代謝を統括する司令塔の役割を果たしている。本研究では疾患骨細胞における特異的な機能障害を解明し、新規治療の進展に有用である知見を得ることを目的とする。OI患者由来iPS細胞、遺伝子修復iPS細胞を使用し骨細胞分化誘導を行い比較評価することで、疾患特異的骨細胞機能解析を行った。 重症OI由来である、それぞれグリシン置換、エクソンスキッピングのバリアントを有する2つのiPS細胞を使用した。それぞれのOI-iPS細胞について、CRISPR-Cas9システムを使用したゲノム編集でisogenic controlの細胞を作成した。骨細胞分化誘導(二次元培養)を行い、Alizarin Red染色にて石灰化を確認、RT-PCRによりmRNA発現の評価を行い骨細胞マーカーのDay 10までの経時的な上昇を確認した。OI-iPSとisogenic control-iPSの2群で骨細胞分化誘導を行い、Alizarin Red染色により石灰化を比較した。Day 7での石灰化の評価、カルシウム定量では有意差が認められなかった。Day 10でのmRNAにおいて、骨細胞マーカーであるSOSTの発現に有意差は認められなかった。次に、コラーゲンゲルを使用し、三次元培養として骨細胞分化誘導を行い、mRNAの発現をRT-PCRで評価した。Day 21におけるFGF23やDKK1といった骨細胞と関連するmRNAの発現は二次元培養におけるDay 10での発現量より多く、三次元培養の有用性が考えられた。OIとisogenic controlで骨細胞分化誘導後の有意差を探索していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
二次元培養の骨細胞分化誘導において、OI-iPSとisogenic control-iPSの2群間で、石灰化能、骨細胞マーカー発現に差は認めなかった。二次元培養が骨細胞分化誘導において最適ではない可能性がある。
|
今後の研究の推進方策 |
コラーゲンゲルを用いた三次元培養の方が二次元培養より、より生体に近い状態を反映する可能性があるため、三次元培養の骨細胞分化誘導を行い、OI-iPSとisogenic control-iPSの2群間での石灰化能、骨細胞マーカー発現を検討していく予定である。
|