研究課題/領域番号 |
23K07230
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
菊地 顕 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (40453104)
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研究分担者 |
松尾 雅文 神戸常盤大学, 保健科学部, 特命教授 (10157266)
柳生 茂希 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10572547)
吉田 秀樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10643546)
細井 創 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (20238744)
宮地 充 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40584983)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 横紋筋肉腫 / PAX3-FOXO1 / Myostatin |
研究開始時の研究の概要 |
小児がんの診断、治療に対する基礎研究は、その稀少性から大きく立ち遅れている。横紋筋肉腫を含む小児固形がんに対する化学療法は、成人癌と比べいまだ非特異的な抗がん剤治療が主であり、多くのプロトコールが副作用とdose intensityの競り合いによって決まっている。本助成金を得て行う横紋筋肉腫腫瘍を用いて行う新規遺伝子治療の開発、検討(横紋筋肉腫特異的キメラ遺伝子PAX-FOXO1境界部特異的ASO、RMS細胞分泌タンパクであるミオスタチン特異的ASO)は、ここ30年来治療成績の改善をみない難治性小児がんであるRMSの新しい治療薬・治療方法の開発に飛躍的な成果をもたらすものと期待できる。
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研究実績の概要 |
腫瘍に対する遺伝子治療として、体外遺伝子治療(CAR-Tなど)の開発は進んでいるが、体内遺伝子治療(腫瘍そのものの遺伝子改変)は進んでいない。その理由としては、ターゲットとなる遺伝子の特異性、および対象腫瘍細胞へのアプローチの難しさが考えられ、新たな治療戦略が必要と考えられる。 腫瘍が分泌しているタンパク質がパラクライン・オートクライン効果として腫瘍の悪性度に関与している場合、これをターゲットとすることは遺伝子導入が一部の腫瘍であっても全体への効果が期待でき、遺伝子治療の腫瘍細胞へのアプローチの難しさ克服するモデルとなり得るだろう。また腫瘍特異的キメラ遺伝子の結合部位をターゲットとしたASOを開発できれば、その特異性は非常に高くなり、理論的にはオフターゲット効果を考慮しないことが可能になるだろう。横紋筋肉腫(RMS)はこれらの実験対象モデルとして最適であると考え、近年我々が開発した皮下投与でも安定して遺伝子発現を抑制できる新たなENA修飾gapmar type ASO技術を用い、①RMS細胞分泌タンパクであるミオスタチン特異的ASOの効果の検討、②RMS特異的キメラ遺伝子PAX-FOXO1の境界部特異的ASOの開発を目的に計画を立てた。①ついて、現在ミオスタチン特異的ASOの開発に成功し、これをRMS細胞株に導入したところ、ミオスタチンの減少、および細胞増殖の抑制効果が得られた。またその増殖抑制効果はミオスタチンの減少度に比例していた。RMS同所性移植マウスモデルは準備できている。今後動物実験を進めるための手続きを行なっている。②については現在開発、スクリーニング中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回の実験計画では次の2点を解明すること目的としている。(1)横紋筋肉腫細胞分泌タンパクであるミオスタチン特異的ASOの効果の検討、 (2)横紋筋肉腫特異的キメラ遺伝子PAX-FOXO1の境界部特異的ASOの開発。 (1)についてはおおむね計画通りにすすんでいる。(2)はまだ適当なターゲットを検索中である。
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今後の研究の推進方策 |
我が国におけるに横紋筋肉腫を含む小児固形がんに対する化学療法は、成人癌と比べいまだ非特異的な抗がん剤治療が主であり、多くのプロトコールが副作用とdose intensity(用量強度)の競り合いによって決まっている。本助成金を得て行うRMSを用いて行う新規遺伝子治療の開発、検討(RMS細胞分泌タンパクであるミオスタチン特異的ASO、RMS特異的キメラ遺伝子PAX-FOXO1境界部特異的ASO)は、ここ30年来治療成績の改善をみない難治性小児がんであるRMSの新しい治療薬・治療方法の開発に飛躍的な成果をもたらすものと期待できる。RMS特異的キメラ遺伝子PAX-FOXO1境界部特異的ASOの開発がうまくいかない場合、ミオスタチン特異的ASOを臨床につなげるためにマウスモデルを用いた前臨床試験に尽力する予定である。
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