研究課題/領域番号 |
23K07257
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
下島 圭子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (30578935)
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研究分担者 |
山本 俊至 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20252851)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 治療法開発 / ゲノム編集 / MLC1 / アストロサイト / ERストレス |
研究開始時の研究の概要 |
これまでMLC患者で認められた病的variantは、少なくとも片アリルがアミノ酸置換を生じるmissense variantであり、発熱や頭部外傷などの外的要因で階段状に病状が進行することからERストレスが高まった状態で細胞が障害をうけることで進行するのではと推測した。ヒトアストロサイト培養系U-251細胞にゲノム編集によってS93Lを導入し実験対象として、外的要因を加えることでERストレスが高まるか検証する。実験結果を基に、exon-skipping療法や分子シャペロン療法の効果を検証する。
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研究実績の概要 |
皮質下嚢胞をもつ大頭型白質脳症(megalencephalic leukoencephalopathy; MLC)は常染色体潜性(劣性)遺伝形式を示す遺伝性大脳白質疾患である。大脳白質が緩徐に障害され、徐々に運動機能などが低下する進行性疾患である。2001年に22番染色体に位置するMLC1が原因遺伝子であることが明らかになった。研究代表者らはこれまで、日本人MLC患者における遺伝子診断に関わるとともに、MLCの指定難病・小児慢性特定疾病への認定に貢献してきた。しかしながら、根本的な治療法は未だ開発されていない。そこで本研究では、日本人のcommon variantであるS93Lをターゲットにした分子治療法開発を目的とした。 MLCにおいては、頭部MRI画像で大脳白質の嚢胞性変化を確認することが診断の根拠となる。大脳皮質がneuronで構成されているのに対して、白質はその軸索を取り巻くoligodendrocyteと支持組織となるastrocyteで構成される。MLCの原因遺伝子であるMLC1はastrocyteでのみ発現していることがわかっている。 研究代表者らのこれまでのMLC1遺伝子解析研究によって、日本人MLC患者においては少なくとも一方のアリルにS93L variantが認められており、S93Lが日本人のcommon variantとなっていることを明らかにした。次に多いのがA275Dである。そこでこの2つのvariantによる病態をまず最初に明らかにすべく、モデル細胞を用いてゲノム編集を行った。 その結果、両variantを順調に作成することができ、現在病態を解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標どおり日本人で見つかったvariantをゲノム編集で作出することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
計画どおり作出されたvariantを有する細胞を用いて、ERストレスの有無など、機能的な変化を解析する。そしてその病態に対してそれを解消することができるコンパウンドなどの検索を行う。
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