研究課題/領域番号 |
23K07264
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 滋賀県立総合病院(臨床研究センター) |
研究代表者 |
足立 壯一 滋賀県立総合病院(臨床研究センター), その他部局等, 総長 (10273450)
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研究分担者 |
松尾 英将 京都大学, 医学研究科, 助教 (80769737)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 急性骨髄性白血病 / 再発 / ゲノム解析 / 小児 / 遺伝子異常 / シークエンス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では日本小児がん研究グループ(JCCG)で実施した臨床研究の再発時検体を収集し、網羅的遺伝子解析(ターゲットシークエンス、RNAシークエンス)を実施する。その後、既にデータを取得済みの初発時検体の解析結果や、年齢・染色体異常・生存情報などを含めた臨床情報、治療内容との比較を行う。これにより、AMLの各種病型において再発に重要な遺伝子異常のパターンを明らかにする。新規に見出された遺伝子異常のパターンについては、細胞株やPDXマウスを用いたAMLの病態への関与の解析、および新規治療アプローチの検討を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では主に小児の急性骨髄性白血病(AML)を対象として、日本小児がん研究グループ(JCCG)で実施した臨床研究の再発時検体の収集・網羅的遺伝子解析を行い、その知見を生かして新規治療法を開発することを目指している。検体の収集については、JCCG AML-05臨床試験やAML-12臨床試験の再発時検体を順調に収集できている。まとまった検体数に達した段階で、網羅的遺伝子解析(ターゲットシークエンス、RNAシークエンス)を実施し、既に解析済みの約10例の結果、およびpublic dataと統合して評価する予定である。新規治療法の開発については、研究代表者のグループが、AMLに対し分化誘導作用を有する薬剤として過去に報告したAlbendazole (Br J Haematol, 2021)について、構造が類似した他のベンズイミダゾール系駆虫薬の効果を比較検討した。その結果、Albendazoleと構造が類似した薬剤は、その多くがAML細胞株に対し分化誘導作用を発揮すること、中でもParbendazoleはAlbendazoleより低濃度で有効性を発揮することを明らかにした。また再発AML検体を免疫不全マウスに移植して得られたPDX細胞を用いて、Parbendazoleの効果を検証したところ、in vitro/in vivoでAlbendazoleと比較して高い抗腫瘍効果が発揮された。よって、Parbendazoleは再発AMLに対する治療薬の候補となりうることが示唆された。本成果はCommun Biol誌で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
JCCG AML-05臨床試験やAML-12臨床試験の再発時検体を順調に収集できている。本研究に使用可能なAMLのゲノム解析結果のpublic dataの抽出も進展している。上述の通り、再発AMLに対する治療薬の候補に関して論文発表を行った。これらは当初の研究計画と大きな相違はないため、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
収集できた再発小児AML検体について、ゲノム解析を実施する。その結果を既に実施済みのゲノム解析の結果やpublic dataと統合して解析することで、再発に寄与する新規遺伝子異常を明らかにする。それに引き続き、再発分子メカニズムに基づく治療法開発を進める。
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