研究課題/領域番号 |
23K07272
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
吉田 秀樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10643546)
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研究分担者 |
菊地 顕 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (40453104)
宮地 充 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 学内講師 (40584983)
富田 晃正 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30933022)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腫瘍溶解性アデノウイルス / WT1 / 小児固形腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍溶解性アデノウイルス(Oncolytic Adenovirus: OAd)は、腫瘍を特異的に認識し、細胞内で任意の遺伝子を発現することができる非常に魅力的なツールである。またWT1 遺伝子は様々な小児がんにおいて高発現していることが知られる。本研究ではOAdの腫瘍特異的な増殖をプロモーターで制御する技術を用い、小児悪性固形腫瘍に対する汎用性の高い腫瘍溶解性アデノウイルス製剤の開発を目指すことを目的とする。
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研究実績の概要 |
【背景】腫瘍溶解性アデノウイルス(Oncolytic Adenovirus: OAd)は、腫瘍を特異的に認識し、細胞内で任意の遺伝子を発現することができる非常に魅力的なツールである。またWT1 遺伝子は様々な小児がんにおいて高発現していることが知られる。本研究ではOAdの腫瘍特異的な増殖をプロモーターで制御する技術を用い、小児悪性固形腫瘍に対する汎用性の高い腫瘍溶解性アデノウイルス製剤の開発を目指すことを目的とする 【方法】 ①WT1プロモーター制御性OAdの開発、②pWT1-OAdの抗腫瘍効果の検証in vitro、③pWT1-OAdの抗腫瘍効果の検証in vivo。 【成果】 WT1プロモーター制御性OAdの開発:最初に小児がん細胞株におけるWTの発現量をreal time PCR法で評価し、実験に使用する細胞株の選定を試みた。発現している細胞株は複数存在したが、WT1プロモーター領域のPCRに難渋した。そこでWT1プロモーターを含むプラスミドを入手し、それをひな型とすることでプロモーター領域のクローニングを試みる運びとした。また、アデノウイルスの感染に重要なファイバーの選定を、表面抗原のフローサイトメトリーを用いて行い、野生型(5型)が最適であることを明らかにした。WT1遺伝子のプロモーター領域をプラスミドをテンプレートとしてPCRで増幅し、TOPOベクターを用いてまずサブクローニングした。次に、pShuttleベクターの発現カセットに遺伝子導入し、アデノウイルス構造プラスミド(pTG3602)と同時に大腸菌(BJ5183株)に形質転換し、相同性組換えを誘発することにより、目的遺伝子を含む発現カセットをアデノウイルスのゲノム内へ移行させた。現在、構築された組換えOAdプラスミドをヒト線維芽細胞(HEK293)にトランスフェクションさせ、WT1制御性OAd(pWT1-OAd)を作製する工程に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
WT1プロモーター領域について、細胞株からクローニングをする予定であったが、思うようにPCRがかからず、その部分で想定外に時間を要した。その後、WT1プロモーター領域を含むプラスミドを入手することができ、これをテンプレートにすることで最終的にPCRによる増幅ができた。計画していたプロモーターアッセイをウイルス作製後に実施するように調整し、クローニングを優先させることで、大幅に遅れることを回避しつつある。今後も、遅れを取り戻すべく、全力を尽くす所存である。
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今後の研究の推進方策 |
腫瘍溶解性アデノウイルスを当研究室で安定して作成する技術は確立している。本年度は以下の流れで研究に取り組む ①pWT1-OAdの作製:組換えOAdプラスミドをHEK293にトランスフェクションさせ、pWT1-OAdを作製・精製する、②in vitroでのpWT1-OAdの抗腫瘍効果の検証:pWT1-OAdの細胞障害性をCell killing assayにて行う。次にpWT1-OAdの細胞内で増殖能を評価するため、replicationassayを行う、③ pWT1-OAdの抗腫瘍効果の検証in vivo:pWT1-OAd のin vivoにおける抗腫瘍効果を、NSGマウスを用いて検証する。続いて、発生した腫瘍を用いて、ウイルス増殖能および拡散能の評価を行う。
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