研究課題/領域番号 |
23K07280
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 広島女学院大学 |
研究代表者 |
野間 隆文 広島女学院大学, 人間生活学部, 特任教授 (40189428)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Gaucher病 / IRES / ITAF / GBA1遺伝子 / グルコセレブロシダーゼ / 遺伝子発現制御 / 翻訳制御 / GBA1 gene / translation / RNA binding protein |
研究開始時の研究の概要 |
ゴーシェ病の臨床的な表現型と変異の遺伝子型とが必ずしも相関しておらず、その予後評価をする上でも問題となっている。我々は、GBA1遺伝子の構造の再点検から新たな遺伝子exon部分を発見し、その転写産物の5´側非コード領域を用いた機能解析から、新規の発現調節機序として、GBA1遺伝子の5´領域に内部リボソーム侵入部位(IRES)活性を見出し、IRES活性を介する線維芽細胞特異的な構成的翻訳調節メカニズムが存在することを明らかにした。本研究では、GBA1mRNAのIRES活性を制御する IRESトランス活性化因子(ITAF) を同定し、その細胞特異的翻訳制御機構を解明する。
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研究実績の概要 |
ゴーシェ病は、グルコセレブロシダーゼ(GCase)をコードするGBA1遺伝子の変異によって引き起こされるGCase活性の低下・喪失により生じる常染色体劣性先天性代謝障害である。これまでGBA1遺伝子の変異は、数百種類が報告されている。しかしながら、臨床的な表現型と変異の遺伝子型とが必ずしも相関していないことから、遺伝子変異から重症度を予測することはできない。そのような中で、申請者は、GBA1遺伝子の構造と機能の解析から、GBA1遺伝子の5´領域に存在する内部リボソーム侵入部位(IRES)活性を介して、線維芽細胞特異的に、構成的翻訳調節されることを見出した。このメカニズムの理解は、遺伝子変異から重症度を予測するための突破口の一つとなり得る。 そこで本研究では、IRESを介するGBA1遺伝子の発現調節機序を明らかにするために、IRESに結合する分子(ITAF)を同定し、その機能を解明することとした。初年度は、実験系の整備をするために、実験に必要な試薬類と細胞の準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は、IRES結合タンパク質(ITAF)を同定するために、まず、既知のITAF分子のうち、マイクロアレイ解析からmRNAの発現が確認された候補の25遺伝子に対するsiRNAのデザインを行なった。次いで、IRES結合タンパク質の精製と同定のための細胞培養系の整備とタンパク質精製のための機材準備を行なった。さらに、RES結合タンパク質のアフィニティー精製のために、3種類の線維芽細胞(TIG110, TIG111, and TIG114)を入手し、細胞抽出液を回収し、その抽出液についてWestern blot実験で確認実験を行い、実験ステップを検証した。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、IRES結合タンパク質の同定作業をさらに進める。そのために、まずIRES結合タンパク質(ITAF)候補の25遺伝子に対するsiRNAを用いたノックダウン実験により、グルコセレブロシダーゼ(GCase)発現の変動をモニターすることで、ITAF候補遺伝子を絞るためのスクリーニングを進める。次いで、昨年度準備した細胞培養系を用いて、GBA遺伝子の5' 領域を用いたRES結合タンパク質のアフィニティー精製を進める。その際、siRNAを用いたノックダウン実験により、グルコセレブロシダーゼ(GCase)発現変動を参考に精製過程を進め、IRES結合タンパク質(ITAF)の候補を絞り込む。
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