研究課題/領域番号 |
23K07284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所 |
研究代表者 |
浜田 奈々子 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 分子病態研究部, 主任研究員 (70721835)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Cep152 / 小頭症 / cep152 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、当センター受診中のSeckel症候群患者から、中心体複製を通して細胞分裂を制御する分子CEP152の新規遺伝子変異を同定し、ノックイン・モデルマウスの作成を含めた解析を行なっている。その過程で、1)CEP152が神経細胞のシナプスに局在する、2)モデルマウスで神経細胞の電気的性質が異なる、という新知見を見出した。さらにCEP152と相互作用するPLK4も樹状突起及びシナプスでの局在が確認された。そこで本研究では、特に分化後の神経細胞に焦点を絞りCEP152とPLK4の新規機能とその破綻が引き起こす知的障害の分子メカニズムの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
CEP152は遺伝性小頭症およびSeckel症候群の原因遺伝子であり、細胞分裂に先立って起こる中心体複製に必須の役割を担う。本研究では小頭症/Seckel症候群患者の全エクソーム解析から同定されたCEP152の新規の機能喪失型変異を有するモデルマウスと、相互作用分子との結合領域にミスセンス変異を有するモデルマウスを用いて、Cep152が分裂後の神経細胞の発達に及ぼす影響について解析を行う。本年度は相互作用分子PLK4との結合領域にミスセンス変異を有するノックインマウスをiGONAD法を用いて作成した。作成したノックインホモマウスは、野生型と比較して出生時にすでに体が小さく、矮小発育であった。同様に脳も小さく、特に大脳、小脳は他の部位に比して小さかった。また、側脳室拡大など患者と一致する表現型が観察された。免疫沈降を行ったところ、患者から見出された変異蛋白質K897*は、PLK4との結合能は保たれていたが、Q32Pは、野生型と比較して結合能が減弱していた。一方でQ32Pは野生型と同様中心体に局在したが、K897*は細胞質に局在した。電気生理学的解析を行い、機能喪失型モデルマウスでは大脳皮質II-III層の興奮性神経細胞において興奮性シナプス後電位(EPSC)の頻度が野生型マウスと比較して上昇していた。また同様に活動電位の頻度も上昇していたことから、神経細胞は興奮しやすい状態になっていることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ノックインマウスの作成が完了し、解析を開始できているため。
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今後の研究の推進方策 |
分裂後の神経細胞の発達に焦点を絞った組織解析、電気生理学的解析に的を絞って解析を行う。具体的にはゴルジ染色による形態解析、免疫組織解析、子宮内胎仔脳遺伝子導入法を用いた神経細胞移動の評価を行う。電気生理学的解析では抑制性シナプス後電位(IPSC)、また新しく作成したノックインマウスも機能喪失型マウスと同様の解析を行なう。
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