研究課題/領域番号 |
23K07288
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
丸尾 良浩 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80314160)
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研究分担者 |
森 雅樹 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (10602625)
森宗 孝夫 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (50895539)
柳 貴英 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70418755)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 新生児高ビリルビン血症 / ビリルビン脳症 / 核黄疸 / ビリルビンUDP-グルクロン酸転移酵素 / UGT1A1 / ヒト化UGT1Aマウス / 新生児黄疸 |
研究開始時の研究の概要 |
新生児高ビリルビン血症(新生児黄疸)に起因する核黄疸(ビリルビン脳症)は、最近早産低出生体重児の増加により、再び核黄疸の発生が増加してきている。ビリルビンを抱合し解毒するビリルビンUDP-グルクロン酸転移酵素遺伝子(UGT1A1)の遺伝子の多型や変異と新生児高ビリルビン血症の重症度の関係や、共同研究者である米国カリフォルニア大学サンディエゴ校のukey教授の作成した新生児黄疸を引き起こすトランスジェニックマウス(ヒト化UGT1Aマウス)用い、これまで研究されていなかった核黄疸の発生メカニズムを組織学的、分子遺伝学的手法を明らかにし、核黄疸発生予防に応用できるようにする。
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研究実績の概要 |
本研究期間中にカリフォルニア大学サンディエゴ校Tukey教授より共同研究として譲り受けたヒト化UGT1Aマウス(マウスのUgt1Aを壊し人のUGT1Aに置き換えた。)の継代を行い新生児期に黄疸を発症するマウスの作成を行った。体色により黄疸の有無を確認することができたが、黄疸を発症していないのに新生児早期に死亡するマウスが多く、現在、継続的黄疸を発症するマウスの作成に苦慮している。核黄疸による早期死亡か、生育条件による早期死亡かの検討を行っている。 一方、ヒトにおいて新生児期に高ビリルビン血症(黄疸)きたすビリルビンUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT1A1)の遺伝子多型の検索を続け新たなUGT1A1のバリアントの新生児高ビリルビン血症の増悪に関わるリスク因子の検討を行い、ヒトの情報からもビリルビン脳症(核黄疸)発生リスクについて検索をおこなった。 また、ヒトにおける早産低出生体重児の血清ビリルビンとそれに関連する病態について当院眼科との共同研究で検討を行った。新生児高ビリルビン血症が遷延した早産低出生体重児には未熟児網膜症のリスクが変化する可能性が示唆されれ、今後の研究発展のための基礎的データが得られた。 新生児期の高ビリルビン血症増悪の要因として、ヒトにおいてはビリルビンUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT1A1)のバリアントが関与しているが、各バリアントとビリルビン代謝に及ぼす影響を検討した基礎的研究はない。ビリルビン脳症予防のためにヒトUGT1A1のバリアントの酵素活性に及ぼす影響を検討するためにUGT1A1の発現ベクターの作成を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒト化 UGT1Aマウスの継代による新生児高ビリルビン血症(黄疸)モデルの作成において、早期申新生児期に死亡するマウスが多く、十分な数のマウスを得られていない。作成方法、生育方法について検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト化 UGT1Aマウスの継代による新生児高ビリルビン血症(黄疸)モデルの作成を行う。マウスのビリルビン値を測定する実験系を作成し、マウスのビリルビン値を測定し、黄疸の程度とビリルビン脳症発症の関係を明らかにしてゆく。 新生児黄疸モデルマスとなるヒト化UGT1Aマウスの作成ののち。ビリルビン脳症(核黄疸)発症の分子生物学的メカニズムを解明するためのm-RNAなどの発現パターンをRT-PCR法をもちい検討する。それらの結果をもとにビリルビン脳症予防のための基礎的データを得る。 また、ヒトの新生児高ビリルビン血症で認められるビリルビンUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT1A1)のバリアントについて、培養細胞をもちいた発現実験を行いUGT1A1のバリアントが新生児高ビリルビン血症のどの様に影響しビリルビン脳症のリスクになるのか検討する。さらに、ヒトの新生児高ビリルビン血症とUGT1A1のバリアントの関係についても前向きに検討してゆく。
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