研究課題/領域番号 |
23K07298
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
青山 幸平 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (40812095)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | SLC26A7 / 先天性甲状腺機能低下症 / ヨードトランスポーター / SLC5A5 / SLC26A4 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、甲状腺ヨードトランスポーターSLC26A7、SLC26A4、SLC26A5について、CRISPR-Cas9によりノックアウト(KO)マウスと複数の組み合わせのダブルKOマウスを作製し、異なるヨード食餌環境下で甲状腺機能、甲状腺関連遺伝子の発現量の変化、成長障害、血中・尿中ヨードについて比較する。SLC26A7とSLC26A4は甲状腺濾胞細胞の管腔側に存在し、互いに補い合う可能性が推測されるが、甲状腺濾胞細胞の血管側に存在するSLC5A5を含めて、これらの相互関係や制御因子には未だ不明な点が多い。甲状腺におけるヨード動態と制御機構の全容を解明したい。
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研究実績の概要 |
私たちは甲状腺ホルモン合成障害の家系解析でこれまで疾患と報告の無かったSLC26A7遺伝子のホモ接合性変異の同定を契機に、SLC26A7が新規ヨードトランスポーターであり、先天性甲状腺機能低下症の新規原因遺伝子であることを証明してきた。 ヨードは甲状腺ホルモンの原料として生体内では甲状腺組織のみで必要とされるが、ヨードの甲状腺内への輸送メカニズムはいまだ十分に解明されておらず、私たちが研究を進めているSLC26A7のヨードトランスポーターとしての機能評価が、ヨード動態の解明に繋がると期待できる。 私たちはヨードトランスポーターの機能や相互関係を調べる目的で、CRISPER-Cas9を用いてヨードトランスポーターであるSlc26a4、Slc26a7、Slc5a5の各々のノックアウト(KO)マウスと、Slc26a7とSlc26a4や、Slc26a7とSlc5a5のダブルノックアウトマウスを作成した。 Slc26a7KOマウスでは、野生型と比較して、体重増加不良、甲状腺腫、甲状腺機能低下が確認され、RANseqではSlc26a4発現が代償的に上昇していることが確認された。Slc26a7の甲状腺濾胞細胞における発現部位は適当な抗体が得られておらず、当研究室で確認ができていない。 これらのKOマウスを用いて高ヨード環境と通常のヨード環境で食餌をわけて、各KOマウスの体重、甲状腺機能、甲状腺のRNAseqを行い、表現型の違いについて検討を進めている。現在までに高ヨード環境における甲状腺機能や甲状腺腫の改善はSl26a7KOマウスではSlc5a5KOマウスほどは認めないことが確認されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各々のKOマウスについて、ヨード含有の異なる食餌による違いの検討を進めており、間もなくこれらの結果が得られる段階である。
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今後の研究の推進方策 |
各々のKOマウスでのRNAseqデータの解析、主成分分析を進める。また、SLC26A7遺伝子異常の罹患者の変異を挿入したSlc26a7ノックインマウスについても、同様の検討を進めたい。
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