研究課題/領域番号 |
23K07299
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
秋岡 親司 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60598093)
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研究分担者 |
佐藤 裕範 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (70763332)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 次世代プロテオミクス / 若年性特発性関節炎 / バイオマーカー探索 |
研究開始時の研究の概要 |
若年性特発性関節炎の乾癬性関節炎型および付着部炎関連関節炎型は、約半数でCRP値が上昇しないため、炎症の存在が疑われず、診断に至らないことが多い。「CRP陰性例ではCRP以外の炎症分子が存在する」と考え、診断バイオマーカーの探索を、僅か1滴の血清で従来法の10倍以上の分析深度を有し、定量的評価も可能な次世代プロテオミクスの手法を用いて行う。新規の炎症バイオマーカーを見つけることで、若年性特発性関節炎の正診率が上がると共に、新たな炎症の病態解明にも繋がる研究である。
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研究実績の概要 |
C反応性タンパク(CRP)は、疾患の炎症状態の評価に不可欠のバイオマーカーである。臨床の場では、血清CRP値の上昇で炎症の存在を判断することは一般的である。しかし、全身性エリテマトーデスや皮膚筋炎、炎症性腸疾患など、血清CRP値の上昇を必ずしも認めない炎症性疾患は少なくない。これは、CRPの関与の乏しい炎症病態の存在を示唆している。若年性特発性関節炎(JIA)も、7病型のうち、乾癬性関節炎型および付着部炎関連関節炎型は臨床所見を他覚的に捉えることが難しく、半数以上の例で血清CRP値や赤沈値の異常を認めない。両型は、本邦ではJIAの約1%と極めて少ないと報告されてきたが、アジア諸国では約4割を占め、未診断例が多い可能性が指摘されてきた。臨床における正診率の改善を目的に、診断に有用な血清バイオマーカーの探索を、新しい蛋白解析の方法を用いて行っている。 まず、当科のJIAのうち乾癬性関節炎型および付着部炎関連関節炎型の初診時のCRP陽性率を調べた。前者で約2割、後者で約1割のみがCRP陰性であった。JIAの他病型では9割以上の症例でCRPが陽性であり、有意な差があった。CRP陰性例を中心に、CRP陽性例および他病型も一部含めて、初診時の血清を収集している。 今回は、なるべく多くの血清タンパクを候補分子として検出するために、最も高感度で、分析深度に優れ、定量的な分析も可能な、次世代プロテオミクスの手法であるdata-independent acquisition mass spectrometry(DIA-MS)を用いる。現在、解析アルゴリズムの一部変更を行っている。変更により、以前よりも2倍以上の解析深度が得られる見込みである。近日中に収集した検体でpilot解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
次世代プロテオミクスの解析アルゴリズムの一部変更があり、それに対応するため解析時期を遅らせている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度に新たな次世代プロテオミクスの解析アルゴリズムとなる予定であり、それに合わせて解析を進め、バイオマーカーの候補となる蛋白を選定する。その後の研究手法は同様であり、選定された候補蛋白について、多数検体で感度及び特異度等、臨床的な有用性を評価し、最終的に診断のバイオマーカーを提唱する予定である。
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