研究課題
基盤研究(C)
AADC欠損症は、ドパミン、カテコールアミン、セロトニン産生低下から、随意運動障害、ジストニア等を来す疾患で、治療法がなかった。我々は、AAV2型ベクターにAADC遺伝子を挿入したベクターを両側被殻に注入する遺伝子治療臨床研究を8例に実施し、全例で運動機能の改善、ジストニア消失等の成果を得た。これらの患者の経過をフォローし、遺伝子治療の効果と長期予後を解析する。治療効果は低年齢、活性残存が想定される変異の患者で高かった。被殻と皮質等との連携改善との相関も考えられた。さらに脳機能解析を継続、拡大し、ドパミン神経系の病態と改善のメカニズムを解析する。また、より効果の高い治療法の開発も検討する。