研究課題/領域番号 |
23K07317
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
中村 達郎 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 特任助教 (50902269)
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研究分担者 |
岡本 康裕 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30398002)
中川 俊輔 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (60789973)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 核小体ストレス応答 / アスパラギナーゼ / 小児 / ALL |
研究開始時の研究の概要 |
特定の薬剤などによるrRNAの転写の抑制によりリボソーム蛋白L11(RPL11)がMDM2を抑制することでp53を安定化させ、腫瘍細胞の増殖を抑制する核小体ストレス応答という抗腫瘍反応が近年注目されている。小児急性リンパ性白血病(ALL)のkey drugであるL-アスパラギナーゼ(L-Asp)がrRNAを抑制することは知られているが、その機序はわかっていない。本研究ではL-Aspがアスパラギン酸の枯渇とは別の機序として、L-AspがrRNAを抑制し、核小体ストレス応答を介してALLにおいて抗腫瘍効果を発揮していることを示す。これは核小体ストレス応答を介したALLの新たな治療の開発につながる。
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研究実績の概要 |
核小体ストレス応答とは薬剤などの刺激によりリボソームRNAの転写抑制がトリガーとなって核小体が崩壊し、RPL11を中心としたリボソーム蛋白が核質内に放出され、MDM2と結合することでP53が安定し、細胞増殖を抑制する近年注目されている抗腫瘍効果である。我々は予備実験の結果からアスパラギナーゼが本来の抗腫瘍効果とは別に核小体ストレス応答を介した抗腫瘍効果を持つと推測して、本研究を立案した。 2023年度は核小体ストレス応答を介する抗腫瘍効果をもつことを証明するために下記の実験を行った。 コントロールとして核小体ストレス応答を引き起こすことが知られているアクチノマイシンDを用いて、白血病細胞株であるNalm6に設定した各濃度のアスパラギナーゼを異なる時間暴露させた集団を作成し、それぞれの状況で産生されるrRNAの量を測定するために45S-pre-rRNAの発現量をRT-PCRで評価した。 結果として、調製した各濃度のアスパラギナーゼを一定時間暴露させた群ではアスパラギナーゼ非暴露群に比べて、45S-pre-rRNAの発現が低下していることが示された。 現在、アスパラギナーゼを介した核小体ストレス応答の結果、安定化したTP53が増加することを証明するために、同様に白血病細胞株Nalm6を用いてアスパラギナーゼ(第一段階と同様にアクチノマイシンDをコントロールとして用いている)を設定した各濃度・時間で暴露させて、ウエスタンブロットでTP53のタンパク発現量を評価を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アスパラギナーゼによるrRNAの抑制を確認するRT-PCR、P53のタンパク発現、それぞれの実験において結果のばらつきがあり、それに対する再現性を確認するために実験を繰り返し、この段階に想定よりも時間を要しているため、進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の研究からアスパラギナーゼがrRNAを抑制する可能性が示唆された。2024年度は現在行っているアスパラギナーゼ投与下でのウエスタンブロットでのP53の蛋白量の評価、アスパラギナーゼにより核小体が崩壊することを確認するために抗ヌクレオホスミン抗体での免疫染色などを行う予定である。
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