研究課題/領域番号 |
23K07322
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
大植 孝治 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50314315)
|
研究分担者 |
桑島 成子 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (30225312)
瀧本 哲也 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 研究所小児がん疫学臨床研究センター, 室長 (40393178)
大喜多 肇 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (50317260)
越永 從道 日本大学, 医学部, 教授 (70205376)
宮嵜 治 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 放射線診療部, 部長 (80278019)
春田 雅之 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 臨床腫瘍研究所, 研究員 (80392190)
上條 岳彦 地方独立行政法人埼玉県立病院機構埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 臨床腫瘍研究所, 所長 (90262708)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | Wilms腫瘍 / 予後因子 / 病理診断 / 画像診断 / 遺伝子異常 / 国際共同研究 |
研究開始時の研究の概要 |
全国の施設から症例を登録し、①腫瘍検体・血液検体を収集して遺伝子解析を行い予後因子を同定する。②画像データを収集し、手術リスクや予後に関わる画像所見を同定する。③臨床データ・予後データをWEBシステムにて収集しデータベースを構築する。④予後因子と臨床データから治療の層別化に有効な臨床的・生物学的マーカーを策定し、リスクに応じた治療プロトコールを作成する。検証に必要な症例数を集積するのは本邦だけでは困難であるためヨーロッパの研究グループ(SIOP)との共同研究の実施も計画している。これにより多数例での解析が可能となり、また諸外国とのWilms腫瘍の生物学的な差異も明らかにできると期待される。
|
研究実績の概要 |
本邦のWilms腫瘍治療に有効な本邦独自のリスク因子を探求するため、ヨーロッパを中心とした小児がん研究グループSIOPと、日本の小児がん研究グループ(JCCG)の共同研究を企画した。SIOP―RTSG(Renal tumor Study Group:小児腎腫瘍研究グループ)の国際共同研究である、Umbrellaプロトコールに参加する方向で、本邦の事情に即した形に改変した研究計画書(Umbrella-J)を作成し、2023年より全国から研究協力施設を募り、以下の目的にて多施設共同研究を開始した。①小児腎腫瘍の治療層別化に有効なバイオマーカー・病理所見・画像所見を明らかにする。②本邦と欧米の小児腎腫瘍の臨床的・遺伝学的特徴を明らかにする。研究方法:参加施設からJCCGに病理組織病本が送付され、中央病理診断を受ける。参加施設はSIOPの提供する治療プロトコールを参考にして治療を行なう。画像データは、JCCGの放射線診断委員会の画像診断システムと利用して提出され画像データベースに保存される。集積された画像データは画像診断委員により診断・解析され、リスク層別化や診断に有用な画像所見が検討される。血液検体及び手術により摘出した腫瘍組織・正常腎組織はJCCG検体センターに送付され凍結保存される。これらの検体を使用して、分子生物学的バイオマーカーの検索を行い、特定のバイオマーカーが予後不良例においてどのような意味を持つかを多変量解析で評価する。得られたデータはJCCGのデータベースに登録、さらにSIOPのデータと併せて解析し、小児腎腫瘍の治療層別化に有効なバイオマーカー・病理所見・画像所見及び本邦と欧米の小児腎腫瘍の臨床的・遺伝学的特徴を明らかにする。これらの結果を踏まえて本邦の小児腎腫瘍に有効な標準的治療法を開発する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多施設臨床研究は、現在69施設が参加し、2023年12月までに22例のウィルムス腫瘍が登録された。12例は限局性、8例は転移性、2例は両側性であった。同じ期間に、40 例の腎腫瘍が JCCG データベースに登録されたため、患者の約半数が 本研究に参加しており、症例の集積ペースは順調である。患者データはJCCGのデータベースに登録施設から入力され、さらに国際共同研究のデータベースに登録されており、国際共同研究としては年間200例、累積で3000例のデータが蓄積されてきている。また遺伝子解析用の腫瘍検体も集積しつつあり、これらの遺伝子解析を進めることにより、今後治療層別化に効果的な予後因子を見つけることができるほか、欧州と日本の臨床的および分子生物学的差異を明らかにして、日本における小児腎腫瘍に効果的な標準治療を確立することが期待される。2023年度は、SIOPから病理医のチームを招聘して病理診断に関するカンファレンスも行った。今後も国際交流を密にして、小児腎腫瘍の臨床・研究の最新情報を収集し、研究に反映したい。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、全国の施設から小児腎腫瘍の登録を進め、臨床データと腫瘍検体の収集を行い、ある程度検体が集まった段階で遺伝子解析を開始する。 2023年度は、SIOPから病理医のチームを招聘して病理診断に関するカンファレンスも行った。今後もSIOPの腎腫瘍委員会に出席数など国際交流を密にして、小児腎腫瘍の臨床・研究の最新情報を収集し、研究に反映したい。
|