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クラッベ病の病態を悪化させるメカニズムの探索

研究課題

研究課題/領域番号 23K07323
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
研究機関川崎医科大学

研究代表者

渡邉 昂  川崎医科大学, 医学部, 助教 (60817071)

研究分担者 松田 純子  川崎医科大学, 医学部, 教授 (60363149)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードKrabbe病 / ガラクトシルセラミド / ラクトシルセラミド / クラッベ病 / サイコシン / スフィンゴ脂質
研究開始時の研究の概要

クラッベ病は、ガラクトシルセラミド(GalCer) β-ガラクトシダーゼ (GALC)の欠損による遺伝性脱髄疾患である。脱髄の主な原因はGalCerのリゾ体であるサイコシンの蓄積と考えられているが、サイコシンが蓄積しないクラッベ病モデルマウスにおいても脱髄の回復は見られなかった。本研究では、サイコシン仮説に変わるクラッベ病発症の新規メカニズムを詳細に解析することで、新たな治療法の提案を目指す。

研究実績の概要

我々は、Krabbe病モデルマウス(Twitcherマウス、Twi)と酸性セラミダーゼの活性化タンパク質であるサポシンDの欠損マウスを交配してサイコシンを蓄積しないKrabbe病モデルマウス(Twi/SapD KO)を作製した。Twi/SapD KOマウスは、サイコシンが蓄積しないにもかかわらず脱髄を呈し早死にであったことから、Krabbe病の原因はサイコシンの蓄積だけでないことを明らかにしている。これらのマウスの脳では、ガラクトシルセラミド (GalCer)が減少し、ラクトシルセラミド (LacCer)が蓄積していた。LacCerは、TwiマウスよりもTwi/SapD KOマウスの方が多く蓄積していた。そこで、TwiマウスとTwi/SapD KOマウスの脳からアストログリア、オリゴデンドログリア、ミクログリアといったグリア系細胞とニューロンを単離しLC-MSで解析した。TwiマウスとTwi/SapD KOマウスでは、オリゴデンドログリアにはGalCerが蓄積していた。TwiマウスとTwi/SapD KOマウスでは脱髄によって、神経細胞が減少するため、脳全体のGalCerは減少するが、オリゴデンドログリアの細胞内には分解できないGalCerが蓄積していると考えられる。LacCerは、アストログリアとミクログリア、ニューロンに蓄積していた。特に、早死にになるTwi/SapD KOマウスのニューロンでは、LacCerがTwiマウスよりも多く蓄積していた。また、Twi/Sap-D KOマウスではTwiよりも軸索腫大が多く見られた。したがって、LacCerの蓄積と神経病態には関連があると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Krabbe病の病態を明らかにするために、細胞の分画や脂質解析法を明らかにし細胞種別ごとの脂質解析法を確立した。また、現在、発現解析や免疫活性化のメカニズム解析なども進んでおり、概ね順調に進んでいると考えられる。

今後の研究の推進方策

ニューロンに蓄積していたLacCerはLC-MSによるセラミド骨格組成解析から、ニューロンに豊富に存在するガングリオシドが、分解されることで産生され、蓄積したと考えられる。今後は、ガングリオシドの分解に関わる酵素のノックアウトマウスを用いて、LacCerの蓄積量と神経細胞死の関係を細胞種別ごとに分離して明らかにする。LacCerは、様々な神経ストレスによって産生されることも知られているため、薬剤を用いたKrabbe病とは異なるメカニズムによる脱髄を引き起こし、同様に細胞種別ごとに分離し解析する予定である。また、これまでGalCerがマクロファージを活性化することを明らかにしており、GalCerの認識に関与するタンパク質の同定を目指す。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Genetic ablation of Saposin-D in Krabbe disease eliminates psychosine accumulation but does not significantly improve demyelination2023

    • 著者名/発表者名
      Takashi Watanabe, Kazuhito Tsuboi, Nobuaki Matsuda, Yuta Ishizuka, Shinji Go, Etsuko Watanabe, Ayaka Ono, Yasuo Okamoto, Junko Matsuda
    • 雑誌名

      Journal of Neurochemistry

      巻: 166 号: 4 ページ: 720-746

    • DOI

      10.1111/jnc.15876

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Characterization of thraustochytrid-specific sterol O-acyltransferase: modification of DGAT2-like enzyme to increase the sterol production in Aurantiochytrium limacinum mh01862023

    • 著者名/発表者名
      Ishibashi Yohei、Sadamitsu Shohei、Fukahori Yoshitomo、Yamamoto Yuki、Tanogashira Rin、Watanabe Takashi、Hayashi Masahiro、Ito Makoto、Okino Nozomu
    • 雑誌名

      Applied and Environmental Microbiology

      巻: 89 号: 11

    • DOI

      10.1128/aem.01001-23

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Krabbe病の神経病態はサイコシンの蓄積だけでは説明できない2023

    • 著者名/発表者名
      松田純子, 渡邉 昂, 坪井一人, 郷 慎司, 石塚佑太
    • 学会等名
      第65回日本脂質生化学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 質量分析計を用いたKrabbe病モデルマウスのスフィンゴ脂質の定量解析2023

    • 著者名/発表者名
      渡邉 昂, 石塚佑太, 松田純子
    • 学会等名
      第64回日本先天代謝異常学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] サポシンD欠損Twitcherマウスの神経病態はサイコシンの蓄積だけでは説明できない2023

    • 著者名/発表者名
      渡辺 昂, 坪井 一人, 石塚 佑太, 松田 純子
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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