研究課題/領域番号 |
23K07339
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
森本 昌史 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (10285265)
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研究分担者 |
千代延 友裕 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40571659)
石川 充 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 訪問講師 (10613995)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | AKT3 / mTOR / iPS細胞 / ゲノム編集 / 小児難治てんかん |
研究開始時の研究の概要 |
AKT3の機能獲得型変異による難治てんかん患者由来iPS細胞からグルタミン酸ニューロンを選択的に分化誘導し、mTOR系活性亢進をもつニューロンがその成熟過程においてどのようにして過剰な興奮性を獲得するのか、遺伝子発現の経時的な変化を通して明らかにする。過剰興奮性を獲得する直前の変動遺伝子はてんかん原性獲得のドライバーとして作用していると考えられ、てんかん発症予防の標的分子となりうる。また、過剰興奮性獲得後の変動遺伝子はてんかん発症後のニューロンでの分子病態を反映していると考えられ、新たなてんかん治療や精神運動発達改善の標的分子となりうると考える。
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研究実績の概要 |
小児てんかんの20-30%は抗発作薬抵抗性の難治てんかんであり、発作による日常生活の支障に加え、特に乳幼児期では発作の頻発により正常発達が妨げられ精神運動発達の障害を生じうる。難治てんかんの発症には様々な分子病態が関与するが、代表的なものとしてPI3K-AKT-mTOR経路(mTOR系)の活性亢進が挙げられる。本研究ではAKT3の機能獲得型変異による難治てんかん患者由来iPS細胞からグルタミン酸ニューロンを選択的に分化誘導し、mTOR系活性亢進をもつニューロンが成熟過程においてどのように過剰興奮性を獲得するのか、微小電極アレイシステムによる経時的な興奮性評価と網羅的遺伝子発現解析を用いて明らかにし、さらに、ゲノム編集した変異修復iPS細胞から分化誘導したニューロンにより「理想的な治療」をin vitroで再現し、mTOR阻害剤を投与した患者由来ニューロンとの遺伝子発現の比較により、既存のmTOR阻害剤治療が克服すべき問題点を分子レベルで抽出することにより新たな治療法の手がかりとする。 患者由来iPS細胞に対してゲノム編集を行い、変異修復iPS細胞株を作製した。さらに、各iPS細胞への遺伝子導入を行い、Neurogenin2をTet-Onシステムで発現誘導できるiPS細胞株として再樹立を行った。これらをグルタミン酸ニューロンに選択的分化誘導したところ、患者由来株において細胞の形態変化およびmTOR系活性亢進(リン酸化S6の増加)を示唆する所見を認めたため、今後定量評価を行う。さらに、微小電極アレイ解析等の表現型解析を行い、患者由来ニューロンで異常が出現する経時変化を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度に予定していたゲノム編集による変異修復iPS細胞の作製、各iPS細胞への遺伝子導入によるNeurogenin2をTet-Onシステムで発現するiPS細胞株としての再樹立は完了したため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は分化誘導したグルタミン酸ニューロンに対して、微小電極アレイ解析をはじめとした表現型解析を行い、患者由来ニューロンで異常が出現する経時的変化を明らかにする。
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