研究課題/領域番号 |
23K07356
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
井戸川 雅史 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (00404749)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | lncRNA / CRISPR / dCAS / sgRNAライブラリ / non-coding RNA / 非コードRNA / 癌 |
研究開始時の研究の概要 |
消化器癌細胞においてCRISPR/Casを用いたゲノム網羅的なlncRNAスクリーニングを行うことで機能的に重要なlncRNAを抽出し,その機能解析や臨床データとの比較によって消化器癌病態における細胞生物学的機能について明らかにしたい.これによりlncRNAの寄与による未知の消化器癌病態を明らかにすることが可能となり,新規の消化器癌診断・治療法の開発につながる知見を得ることができる.
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研究実績の概要 |
これまで,蛋白質をコードする遺伝子間のゲノム領域は何の機能も持たないDNA配列と考えられてきた.しかし近年のトランスクリプトーム解析により,そのような領域の多くが転写され発現していることが明らかとなった.中でもmRNAと同様の構造を持つ多数の長鎖非コードRNA(long non-coding RNA, lncRNA)が,様々な疾患病態において重要な役割を果たしていることが明らかとなり,ヒトの生命現象の複雑性を説明する論拠となりつつある.そこで,消化器癌細胞においてCRISPR/Casを用いたゲノム網羅的なlncRNAスクリーニングを行うことで機能的に重要なlncRNAを抽出し,その機能解析や臨床データとの比較によって消化器癌病態における細胞生物学的機能について明らかにしたい.具体的な手法としては,ゲノム切断は起こさないdCas蛋白とガイドRNA(sgRNA)によるSAM (Synergistic Activation Mediator)複合体をプロモーター領域に誘導することで特定の標的遺伝子の発現誘導を起こす系を用いて,ゲノム網羅的にlncRNAの発現誘導を引き起こすことで効果的なlncRNAのスクリーニングを行いたい. まず,レンチウイルスを用いてSAM複合体(転写因子VP64を融合したゲノム非切断dCas蛋白およびMS2-p65-HSF1融合蛋白)を恒常的に発現する消化器癌細胞株を樹立した.次にポジティブコントロールとしてASCL1遺伝子のプロモータを標的とするsgRNAを組み込んだプラスミドベクターを樹立した細胞株にトランスフェクションしたところ,その発現が10倍以上上昇することが確認され,実験系が機能していることが示された.この細胞を用いてsgRNAライブラリーのスクリーニングを予定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り細胞株が樹立できたため.
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今後の研究の推進方策 |
計画通り,sgRNAライブラリのスクリーニングを進めていきたい.
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