研究課題/領域番号 |
23K07365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
喜多村 晃一 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (70378892)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | B方肝炎ウイルス / ウイルス変異 / B型肝炎ウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)は肝臓の主要な発がんウイルスで、その感染の持続にはcovalently closed circular DNA(cccDNA)と呼ばれるウイルスDNAが感染細胞核内でミニ染色体として存在することが必須である。現在これを除去する有効な治療法は無く、B型肝炎の根治が難しい理由となっている。我々はこれまでの研究でcccDNAに作用するウイルスゲノム改変因子やDNA修復因子を解析してきた。本研究では、これまでに開発したcccDNA解析系と次世代シークエンス解析の活用により、cccDNAに関わる分子機構の詳細と病理学的役割の解明をめざす。
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研究実績の概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)は肝臓の主要な発がんウイルスで、感染者数は世界で約2.9億人と推定されている。HBV慢性感染により、肝炎から肝硬変や肝がんへと進行していくが、この感染の持続にはcovalently closed circular DNA(cccDNA)と呼ばれるウイルスDNAが感染細胞核内でミニ染色体として存在することが必須である。現在これを除去する有効な治療法は無く、B型肝炎の根治が難しい理由となっている。我々はこれまでの研究でcccDNAに高頻度突然変異やDNA分解を引き起こすウイルスゲノム改変因子、cccDNA形成や変異修復に関わる宿主DNA修復因子を複数同定してきた。本研究では、cccDNA改変分子機構の詳細な解析と、改変作用の結果生じる病態変化を明らかにし、その病理学的役割の解明をめざす。本年度は、網羅的な変異解析の基盤技術構築を目的として、Nanoporeシークエンスの精度についてバージョンアップされたフローセルR10.4.1を用いた検討を行った。ロングリード解析を可能とするNanoporeシークエンスは同一塩基が連続する配列においてbasecallingの精度に問題があったが、新たなフローセルでこの点を改善することができた。これまでの知見から、APOBEC3Gは連続する塩基(マイナス鎖のC)にpreferenceがあるので、この点の改善は重要である。今後は計画どおりこれを用いてcccDNA変異パターンの解析をrolling circle amplification(RCA)法と組み合わせてロングリードで行い、変異導入因子と修復因子の変動によるcccDNA変異の全容を明らかにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HBVに変異を導入する宿主因子APOBEC3GはCpC dinucleotideをターゲットとしやすいが、Nanoporeシークエンスはこのような連続する同一塩基にエラーが起きやすいという問題があった。R10.4.1フローセルにすることで、この問題が改善されより正確なデータを得ることができる。
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今後の研究の推進方策 |
次世代シークエンスによるcccDNAのロングリード解析の準備ができたので、引き続きDNA改変因子の作用について検討を進める。
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