研究課題/領域番号 |
23K07383
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
百田 禎郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90820366)
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研究分担者 |
村橋 睦了 (伊賀睦了) 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20422420)
宮本 将平 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20758536)
坂下 裕紀 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80911586)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 腫瘍溶解性ウイルス / がん指向性リポソーム / リポソーム |
研究開始時の研究の概要 |
切除不能進行膵癌は、集学的治療が行われるようになった現在においても、未だ予後不良の疾患である。ところで、新たながん治療の1つとして腫瘍溶解性ウイルス療法が期待されている。これまでに申請者らはコクサッキーウイルスB群3型(CVB3)が膵癌を含む複数のがん細胞に対し優れた殺細胞効果を示すことを発見し、安全性を向上させた遺伝子改変CVB3を開発した。本研究の核心的「問い」は腫瘍溶解ウイルスを中心とした併用免疫療法は膵癌治療の戦略として有効かであり、目的は膵癌に対するCVB3の抗腫瘍効果を最適化し、臨床応用への可能性を検討することである。
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研究実績の概要 |
これまでに我々はコクサッキーウイルスB群3型(CVB3)が膵癌を含む複数の癌細胞に対し優れた殺細胞効果を示すことを発見し、安全性を向上させた遺伝子改変CVB3を開発した。また、CVB3による癌細胞の死滅が抗腫瘍免疫反応を活性化する免疫原性細胞死(immunogenic cell death: ICD)を誘導することを初めて明らかにし、NK細胞がエフェクター細胞として働くことを発見した。 本研究の目的は膵癌に対するCVB3の抗腫瘍効果を最適化し、臨床応用への可能性を検討することである。本研究では、①膵癌における CVB3細胞傷害性関連遺伝子を同定し、CVB3感受性のメカニズムを解明する。②申請者らが併行して開発を進めている「がん指向性リポソーム」というDrug Delivery Systemを用いて、CVB3抵抗性膵癌細胞株に、CVB3感受性遺伝子を導入することで殺細胞効果が改善されるか確認する。③担癌マウスモデルを作製し、in vivoにおける膵癌に対するCVB3抗腫瘍効果を確認する。可能であれば、④CVB3誘導ICD暴露NK細胞を、膵癌担癌マウスモデルにおいてCVB3処理後に輸注し、抗腫瘍効果の増強を確認する。 本年度は、まず膵癌細胞株の補完を目指し、計8種類の膵癌細胞株を選定し、今後の研究に向けセルバンク作成等のインフラ整備を実施した。次に、これら膵癌細胞株に対してCVB3が細胞傷害性を有するかどうかを検討した。その結果、一部の細胞株においてCVB3に対する感受性を有していることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、所有している膵癌細胞株が少数であり、CVB3に対する膵癌細胞の感受性評価が困難であったため、膵癌細胞株を新たに選定し追加購入した。このインフラ整備のため、多くの時間を費やし計画の遅延が生じたが、想定内の遅延であったため、全体として見れば概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は初年度に得られた細胞株における細胞傷害性の情報をもとに、以下の研究を順次行っていく予定である。 ①膵癌におけるCVB3細胞傷害性関連遺伝子を同定し、CVB3感受性のメカニズムを解明する。②申請者らが併行して開発を進めている「がん指向性リポソーム」を膵癌細胞株に供与し、膵癌細胞株における導入効率等を検討する。③担癌マウスモデルを作製し、in vivoにおける膵癌に対するCVB3抗腫瘍効果を確認する。
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