研究課題/領域番号 |
23K07399
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
吉田 道弘 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (20636328)
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研究分担者 |
志村 貴也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (90405192)
加藤 晃久 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (10803489)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | エクソソーム内miRNA / 膵液 / リキッドバイオプシー / エクソソーム / miRNA |
研究開始時の研究の概要 |
膵液は膵臓病変局所に存在する貴重な体液にもかかわらず、細胞診での癌細胞の有無の評価以外有効利用した診断体系は樹立されていない。「沈黙の臓器」とされる膵臓には膵癌に加え、慢性膵炎・膵嚢胞性腫瘍・自己免疫性膵炎など多様な疾患が存在し診断に苦慮することも多い。本研究では膵液中エクソソーム内miRNAに注目した網羅的解析を行う。さらに細胞・動物実験での機能解析も加え、バイオマーカー探索とともにエクソソームが関与する病態メカニズムを解明する。内視鏡下に膵液を回収しリキッドバイオプシーとして活用するという発想から、膵疾患における全く新しい診断体系の樹立・治療への応用を目指す。
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研究実績の概要 |
膵液は膵臓病変局所に存在する貴重な体液にもかかわらず、細胞診での癌細胞の有無の評価以外有効利用した診断体系は樹立されていない。「沈黙の臓器」とされる膵臓には膵癌に加え、慢性膵炎・膵嚢胞性腫瘍・自己免疫性膵炎など多様な疾患が存在し診断に苦慮することも多い。本研究を通じ、内視鏡下に膵液を回収しリキッドバイオプシーとして活用するという発想から、膵疾患における全く新しい診断体系の樹立・治療への応用を目指している。 本年度はERCP時のカテーテルないしはドレナージチューブ用いて膵管および嚢胞内から直接採取した膵液を用い、ガラスフィルター法を用いてエクソソームを単離捕捉後、エクソソームからRNAをmiRNeasy kitで抽出し、網羅的比較解析を行うことを計画してきた。 膵液の臨床上回収を続け症例サンプル数を増やしているが、現行のエクソソーム抽出プロトコールで膵液からの安定的なmiRNAの回収の難渋している。過去の研究では胆汁および血液で実績のある回収方法のため、膵疾患症例における血液での解析に加え、閉塞性黄疸を来す膵疾患(自己免疫性膵炎・膵癌・慢性膵炎)においては内視鏡検査の際にご本人の同意のもと胆汁も回収しており、膵液・血液に加えて胆汁を用いた解析も並行して行う事とした。 膵癌症例での胆汁を用いたエクソソーム回収・miRNA抽出に成功したため、膵癌およびコントロール症例の胆汁および血清を用いて現在解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上述したように、膵管および嚢胞内から直接採取した膵液を用いて網羅的比較解析を行うことを計画してきた。現行のエクソソーム抽出プロトコールで膵液からmiRNAを回収しているが、サンプル毎に回収総量にバラつきがあり安定的な量のmiRNA確保に難航している。プロトコールの見直しとともに、膵液の性質上、サンプル自体の品質が膵消化酵素により変性してしまうのかを検討する必要があり、予備検証に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
過去の研究では胆汁および血液で実績のある回収方法のため、膵疾患症例における血液での解析に加え、閉塞性黄疸を来す膵疾患(自己免疫性膵炎・膵癌・慢性膵炎)においては胆汁も回収しており、膵液・血液に加えて胆汁を用いた解析も並行して行う事とした。 膵癌症例での胆汁を用いたエクソソーム回収・miRNA抽出に成功したため、膵癌およびコントロール症例の胆汁および血清を用いて現在解析中である。 これらの結果をもとに、手術標本との比較、各種解析を行っていく。候補miRNAが同定されれば細胞や動物を用いた基礎実験を速やかに開始していきたい。
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