研究課題/領域番号 |
23K07410
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
奈良坂 俊明 筑波大学, 医学医療系, 講師 (00349490)
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研究分担者 |
土屋 輝一郎 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40376786)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | クローン病 / 小腸オルガノイド / 病変形成機構 / 上皮病態 |
研究開始時の研究の概要 |
クローン病は小腸と大腸に潰瘍を形成する難病です。小腸と大腸で潰瘍ができる病変部と正常粘膜の非病変部が繰り返して認められることが特徴ですが、同じ炎症状態でなぜ潰瘍ができる部分とできない部分が生じるのかその原因は不明です。そこで、小腸の病変部と非病変部の粘膜を採取して、様々な解析を行うことで、病変部にのみ特異的に発現する因子を探索します。病変部特異的な因子を標的とした治療薬を開発することにより、将来的にクローン病の潰瘍病変を生じさせない治療法の確立が期待されます。
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研究実績の概要 |
クローン病は小腸に非連続性の病変を形成する難治性疾患である。その原因は免疫亢進による慢性炎症であり免疫抑制薬が使用されるが、病変が残存し、潰瘍、狭窄等の病状が持続することが多い。クローン病の特徴として腸管全体に炎症を認めるにも関わらず病変部と非病変部が介在することであり、申請者らは同じ慢性炎症環境の小腸内に病変部と非病変部が存在するのは、炎症以外の原因で病変形成のされるのではという学術的問いを設定した。事実、クローン病患者の隣接する病変部と正常部の生検検体解析にて炎症関連遺伝子の発現差異を認めず、小腸上皮の発現遺伝子に差異を認めた。そこで小腸上皮細胞に病変部形成寄与因子が存在すると着想し、独自の小腸疾患モデルを構築することにより、病変部形成特異的因子の同定を目的とした。生検検体及びオルガノイドで共通する病変部特異的分子を同定し、遺伝子発現を動揺させることにより病変形成及び狭窄形成への影響を評価する。さらに臨床情報と結合し、遺伝子発現と狭窄形成、治療有効性との関連を明らかとする。本年度は同一患者小腸内の病変部と近接する正常部のオルガノイドを樹立し、その差異解析を行った。また、小腸オルガノイドに炎症刺激を行い、クローン病モデルの構築に着手している。大腸オルガノイドと同じ炎症刺激条件では、小腸オルガノイド培養が維持できないことが判明した。炎症刺激濃度を調整して、小腸オルガノイドが維持できる長期炎症刺激モデルを構築している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に抽出した候補遺伝子から生検検体とオルガノイド解析で共通する遺伝子を病変部発現変動遺伝子とする。生検検体の免疫組織染色にて小腸粘膜の上皮細胞に局在し、病変部と隣接する正常粘膜で発現が異なること、オルガノイドの細胞免疫染色にて蛋白発現が異なることを条件として候補遺伝子を選定する。さらに、臨床検体における病変部発現遺伝子の発現強度と臨床情報の関連を解析する。遺伝子発現と狭窄発生頻度、狭窄拡張術の回数、狭窄解除手術回数などが関連する遺伝子を候補遺伝子群から抽出する予定である。
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