研究課題/領域番号 |
23K07429
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 医療法人徳洲会湘南鎌倉総合病院(臨床研究センター) |
研究代表者 |
倉田 亘 医療法人徳洲会湘南鎌倉総合病院(臨床研究センター), 湘南先端医学研究所 がん医療研究部, 研究員 (90894204)
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研究分担者 |
瀬尾 有樹実 医療法人徳洲会湘南鎌倉総合病院(臨床研究センター), 湘南先端医学研究所 がん医療研究部, 研究員 (20897920)
下山 ライ 医療法人徳洲会湘南鎌倉総合病院(臨床研究センター), 湘南先端医学研究所 がん医療研究部, 主任研究員 (00867533)
田代 泰之 医療法人徳洲会湘南鎌倉総合病院(臨床研究センター), 湘南先端医学研究所 がん医療研究部, 研究員 (20894190)
新津 洋司郎 医療法人徳洲会湘南鎌倉総合病院(臨床研究センター), 湘南先端医学研究所 がん医療研究部, 部長 (10045502)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2027年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | liver fibrosis / hepatic stellate cells / MT1-MMP |
研究開始時の研究の概要 |
難治性肝障害に伴う肝線維症は、未だに臨床的に有効な治療法は開発されていない。その主な理由としては、肝線維症の責任細胞である活性型星細胞(aHSC)を標的としてそれらを死滅させるなど、より積極的で強力な試みがなされていない事が考えられる。そこで、本研究ではaHSCの生存・増殖に関わるMT1-MMPを阻害することにより、aHSCを選択的に消滅させるという新規肝線維症治療戦略を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究では我々の既報(JBC2014)にある、“aHSCの生存・増殖は、自ら分泌するコラーゲン分子が同細胞膜上のMT1-MMPにより部分分解された結果、表出してくる分子内部のRGD motifが、Vαβ1integrinに作用して惹起されるPI3K/AKTシグナルに依存している”という事実に則り、MT1-MMP阻害剤でそのautocrine signal loopをブロックする事によりaHSCを選択的に消滅させるという新規肝線維症治療戦略を検討する事を目的とする。本研究の研究実績は以下の通りである。 1. MT1-MMP特異的阻害剤添加後のaHSCについて、細胞増殖の抑制やアポトーシスシグナルの活性化を確認することができた。 2. DMN肝線維症モデルマウスでのMT1-MMP特異的阻害剤の効果検討を行った。具体的には、①正常コントロール群マウス(9週まで飼育)、②非治療肝線維症群マウス(DMN8mg/ml/kg 週3回9週間腹腔内投与)、③肝線維症治療群マウス(DMN8mg/ml/kg週3回9週目までと、MT1-MMP特異的阻害剤を6週目から週3回9週目まで腹腔内投与)、④肝線維症比較対象群マウス(DMN8mg/ml/kg週3回6週間腹腔内投与)の4群について、経時的に体重測定を行い、投与スケジュール完了後に肝組織を取り出し、シリウスレッド染色、αSMA 染色を行った。その後、線維症の程度をNIH imaging softで解析したところ、 ③の線維組織量が②のそれより低下しており、さらに④よりも低下していたことから線維溶解効果(治療効果)を確認することができた。 今後の研究計画は以下の通りである。MT1-MMP特異的阻害剤添加後のaHSCについて、同阻害剤によるautocrine signal cycle の抑制についてもPI3K/AKT/mTORをwestern blotで調べる。また、MT1-MMP conditional KOマウスを作製し、DMN肝線維症モデルにおいて、これまで得られた実験結果の再現および副作用の検証実験を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MT1-MMP特異的阻害剤の副作用の検証実験を行うため、そのモデルマウスとしてMT1-MMP conditional KOマウスを作製することとした。そのマウスの匹数確保に時間がかかっているため、進捗はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、MT1-MMP特異的阻害剤添加後のaHSCについて、アポトーシスをTUNEL染色で調べ、さらに同阻害剤によるPI3K/AKT/mTORシグナルの影響をwestern blotで調べる。また、同阻害剤によるコラーゲン分解への影響についても調べる。動物実験については、MT1-MMP conditional KOマウスを作製し、DMN肝線維症モデルにおいて、これまで得られた実験結果の再現および副作用の検証実験を行う。副作用の検証実験は、体重および全血球計算(CBC)、生化学検査を行い、KOしていないマウスのそれらと比較検討する。
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