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間葉系幹細胞の作用を洗練・集約化した抗線維化microRNA封入脂質ナノ粒子の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K07439
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53010:消化器内科学関連
研究機関山口大学

研究代表者

松本 俊彦  山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70634723)

研究分担者 藤澤 浩一  産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (00448284)
高見 太郎  山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60511251)
山本 直樹  山口大学, 教育・学生支援機構, 教授 (90448283)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード間葉系幹細胞 / 肝線維化 / microRNA / 細胞外小胞
研究開始時の研究の概要

我々は肝移植に代わる肝硬変治療法として「自己骨髄間葉系幹細胞(MSC)を用いた肝臓再生療法」を開発してきた。医師主導治験で有効性が示唆されたが、継続性が今後の課題である。本研究では、治験での有効症例のMSCと血清を用いて体内でのMSCの表現型を再現し、MSC由来細胞外小胞(EV)の治療効果を担うmicroRNAを同定する。Drug delivery systemには、EVより小型で生物学的活性が高く、内包成分の調整により有効性を高めた脂質ナノ粒子を作製する。以上により頻回投与可能な抗線維化薬「MSCの作用を洗練・集約化した抗線維化microRNA封入脂質ナノ粒子」を開発し、Proof of conceptを取得する。

研究実績の概要

我々は肝移植に代わる肝硬変治療法として「自己骨髄間葉系幹細胞 (MSC)を用いた肝臓再生療法」を開発してきた。医師主導治験で有効性が示唆されたが、継続性が今後の課題である。本研究では治験での有効症例のMSCと血清を用いて、肝硬変患者に投与された体内のMSCを再現し、MSC由来細胞外小胞 (EV)の治療効果を担うmicroRNA (miRNA)を同定する。Drug delivery system (DDS)には、EVより小型で生物学的活性が高く、内包成分の調整により有効性を高めた脂質ナノ粒子を作製する。以上により頻回投与可能な抗線維化薬「MSCの作用を洗練・集約化した抗線維化miRNA封入脂質ナノ粒子」を開発し、Proof of concept を取得する。
令和5年度は、治験症例MSC由来EV (MSC-EV)中のmiRNA profileとヒト肝星細胞内のmiRNA profileとの比較検討により抗線維化miRNAの同定を行った。具体的には、治験での有効症例3例のMSC培養時に生じた余剰MSCを用いて、培養上清中よりMSC-EVを回収した。MSC-EV中のmiRNA、ヒト肝星細胞3種 (HHSteC, LX-2, LI90)の細胞内のmiRNA を抽出し、miRNA array解析によりMSC-EV中で高発現、肝星細胞内で低発現のmiRNAを選出した (量的評価)。iPS細胞の山中因子が同定された際の手法を参考に、選出されたmiRNAを組み合わせで肝星細胞 (HHSteC)に導入し、線維産生 (collagen I, collagen III, Elastin)を抑制するmiRNAの絞り込みを行った (質的評価)。最終的に絞り込んだ複数のmiRNAをHHSteCに導入し、線維産生抑制効果を評価した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

医師主導治験「自己完結型肝硬変再生療法」において間葉系幹細胞肝動脈投与後1年の経過でChild-Pugh score 2点以上の改善を認めた有効症例のMSCについて、EV中のmiRNA profileの解析を行った。これをヒト肝星細胞内のmiRNA profileと比較し、MSC-EV中miRNAでシグナル強度1000以上、かつ肝星細胞内miRNAの100倍以上のシグナル強度を呈するもの 11種を選出した。さらに、11種全種または11種から1種を除いたmiRNAの組み合わせをHHSteCに導入して線維産生を比較し、線維産生抑制効果をもつmiRNA 5種を決定した。miRNA5種の線維産生抑制効果はmiRNA11種と同等であった。この成果は複数の国内学会および国際学会で報告した。また、これら5種のmiRNA cocktailについて特許出願(特願2023-189942)した。以上の進捗は当初の計画と概ね一致しており、順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

令和5年度の研究成果を受けて、抗線維化miRNA 5種を導入したヒト肝星細胞における遺伝子発現変化を評価し、作用機序を明らかにする。続いて、これらの抗線維化miRNAを実験動物(マウス、ラット、イヌ等)の肝星細胞に導入して、種差を超えてヒト肝星細胞と同様の作用機序で線維産生抑制効果を示すかを確認し、in vivoでの評価に適する動物種を選択する。また、同様の手法を用いて、MSC-EV中で高発現、ヒトマクロファージ(Mφ)内で低発現のmiRNAを選出し、抗炎症かつ線維溶解の表現型を持つMφの誘導が可能かを検証する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] 肝臓再生療法における自己骨髄間葉系幹細胞由来細胞外小胞の作用機序の解析2024

    • 著者名/発表者名
      川本 大樹、松本 俊彦、山本 直樹、高見 太郎
    • 学会等名
      第23回日本再生医療学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 自己完結型肝硬変再生療法の開発と 細胞外小胞を介した作用機序の解明2023

    • 著者名/発表者名
      松本 俊彦、川本 大樹、石川 剛、山本 直樹、高見 太郎
    • 学会等名
      第30回肝細胞研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 肝臓再生療法における自己骨髄間葉系幹細胞由来細胞外小胞の作用機序の解析2023

    • 著者名/発表者名
      川本 大樹、松本 俊彦、藤岡 毅、山本 直樹、高見 太郎
    • 学会等名
      第129回山口大学医学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Identification of anti-fibrotic microRNAs enriched in extracellular vesicles derived from bone marrow mesenchymal stem cells in patients with decompensated liver cirrhosis.2023

    • 著者名/発表者名
      Daiki Kawamoto, Toshihiko Matsumoto, Naoki Yamamoto, Taro Takami
    • 学会等名
      AASLD The Liver Meeting 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 肝臓再生療法における自己骨髄間葉系幹細胞由来細胞外小胞の作用機序の解析2023

    • 著者名/発表者名
      川本 大樹、松本 俊彦、山本 直樹、高見 太郎
    • 学会等名
      第37回肝類洞壁細胞研究会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [産業財産権] 線維化を伴う肝疾患を予防又は治療するための医薬組成物2023

    • 発明者名
      松本 俊彦、川本 大樹、山本 直樹、高見 太郎
    • 権利者名
      山口大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2023-189942
    • 出願年月日
      2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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