研究課題/領域番号 |
23K07444
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
近藤 啓 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (60750594)
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研究分担者 |
吉田 道弘 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (20636328)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | オートタキシン / 膵神経内分泌腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、膵NEN細胞株とマウスを用いた基礎実験をもとに、膵NENにおけるLPAシグナルの意義とATXをターゲットとした新規分子標的治療の開拓を目的とする。さらに血中ATX値のバイオマーカーとしての意義も検証し、膵NEN診断・治療の新たなターゲットとして臨床応用を目指す第一歩としたい。本研究を通じ、ATXが膵NENの新たなバイオマーカーとしての可能性と、長く新規分子標的治療の登場のない膵NENにおいて新しい治療ターゲットとなるTheranostic target「Therapy(治療)とDiagnosis(診断)をともに担うターゲット」の可能性を解明する。
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研究実績の概要 |
膵NEN進展におけるLPAシグナルの重要性と、ATX制御による癌抑制効果について検証することを目的とし、膵NEN患者血清および組織検体を用いバイオマーカーとしての臨床的意義について検証も行う研究である。本年度は下記を実施した。 1)LPAシグナルによる膵NEN細胞増殖・浸潤促進の検証:膵NEN細胞株(QGP-1・BON-1)を用い、LPA投与下に増殖・浸潤能の評価。QGP-1・BON-1における6つのLPA受容体(LPAR1-LPAR3)の発現量をPCRで検証のうえ、形質導入(siRNA)により発現制御しLPA受容体サブタイプごとの性質評価。 2)ATX発現調節による膵NEN細胞への影響の検証:膵NEN細胞株(QGP-1, BON-1)に形質導入でATXの発現抑制(siRNA)し、増殖および浸潤能の変化を評価。ATX阻害剤(GLPG1690)を用いて増殖・浸潤能の変化を検証。 3)マウス皮下移植モデルを用いたin vivo実験:ATX阻害剤(GLPG1690)の効果を検証する。得られた組織検体・血液検体を用い、WB・PCR・免疫染色で各種発現検証。 4)臨床検体を用いた血中ATX値測定:膵NEN患者を含む膵疾患(膵癌・膵嚢胞性腫瘍・慢性膵炎・自己免疫性膵炎)や膵疾患を持たない健常者の血中ATX値の測定。 これらの結果をまとめ論文化しCancer Scienceに採択された(Title:Dual role of autotaxin as novel biomarker and therapeutic target in pancreatic neuroendocrine neoplasms. )。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
膵NEN進展におけるLPAシグナルの重要性と、ATX制御による癌抑制効果について検証することを目的とし、基礎実験を中心にその現象を証明し得た。膵NEN患者血清を用い診断バイオマーカーとしての臨床的意義についても明らかとすることができており、今年度はおおむね順調に進展していると考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
上述のように膵NEN進展におけるLPAシグナルの重要性と、ATX制御による癌抑制効果について基礎実験を中心にその現象を証明し得た。一方、メカニズムについて次年度以降の研究課題であるため、実施していく。また以下についても予定通り次年度以降に順に行っていく予定である。 1)脂肪細胞との共培養による微小環境下でのATXの作用 2)ATX・LPAシグナル制御による血管新生作用(Angiogenesis)の変化 3)マウス同所異種移植モデルを用いたin vivo実験 4)臨床検体(血液・組織標本)を用いた実験
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