研究課題/領域番号 |
23K07446
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
矢野 智則 自治医科大学, 医学部, 教授 (30438634)
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研究分担者 |
山本 博徳 自治医科大学, 医学部, 教授 (10311937)
坂本 博次 自治医科大学, 医学部, 准教授 (50536175)
永山 学 自治医科大学, 医学部, 助教 (80741347)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2027年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | クローン病 / 小腸狭窄 / 内視鏡的バルーン拡張術 / ダブルバルーン小腸内視鏡 / 目盛り付き先端細径フード / 再狭窄 / ダブルバルーン内視鏡 / 目盛り付き先端細径透明フード |
研究開始時の研究の概要 |
クローン病患者は小腸狭窄を生じて手術になりやすく、手術を繰り返して小腸が短くなれば経口摂取での栄養維持ができなくなる。小腸狭窄に対する内視鏡的バルーン拡張術は手術回避に有効だが、高頻度で再狭窄する問題があった。これまでは小腸狭窄の内径を計測できず、再狭窄防止策を解明できなかった。本研究では、我々が開発した「目盛り付き先端細径フード」を用いて計測した小腸狭窄の内径に基づいて、バルーン拡張術の効果を経時的に評価し、再狭窄の要因を明らかにして、再狭窄防止策の確立につなげる。
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研究実績の概要 |
クローン病患者は小腸狭窄や瘻孔のため発症後5年で32%が外科手術され、さらに術後5年で24%が再手術される。一方、狭窄部の内視鏡的バルーン拡張術は手術回避に有効だが、術後再狭窄が課題である。これまで狭窄部の定量的評価が難しく、再狭窄防止策を確立できていなかった。そこで、我々の研究では独自に開発した「目盛り付き先端細径フード」を用いて狭窄径の定量的かつ経時的な評価を行って、バルーン拡張術後の再狭窄に影響する要因を探索している。術後再狭窄回避に必要な治療目標が明らかになれば、クローン病の新たな治療戦略の確立につながる。 無症状かつ血清学的寛解状態にあるクローン病患者の小腸狭窄に目盛り付き先端細径フードを装着したダブルバルーン小腸内視鏡(DBE)で拡張術を行い、7ヶ月以上後に2回目のDBEで評価した48人について、再狭窄に影響する因子を多変量解析で探索した後ろ向き研究では、2回目のDBEで潰瘍が有る場合に再狭窄が多いことが示され、潰瘍の有る群の再狭窄率89%対して、無い群の再狭窄率は52%と有意に低く、潰瘍の有無が再狭窄の要因の一つと判明した。この結果を2023年度に論文発表したが、潰瘍が無くても52%で再狭窄が起きており、他の要因の探索が必要である。現在行っている前向き研究では、後ろ向き研究では検査していなかったLRG等の新規バイオマーカーや、詳細な臨床情報を収集している。前向き研究では2022年6月から2024年3月末までに79人の患者が1回目のDBEが終了し、39人が2回以上のDBEが終了しており、順調に組み入れが進んでいる。 今後、2024年度から新たに使用可能となった短波長狭帯域光と色調拡張技術により赤色領域の彩度差・色相差を拡張するLinked Color Imaging技術を用いたクローン病小腸病変の炎症評価も加えて研究を継続していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当施設では年間60人程のクローン病患者に内視鏡的バルーン拡張術を行っており、そのほとんどから研究への同意を得ることができ、登録開始から約1年半で79人の患者をリクルートできた。患者の多くは1年に1回程度の定期的DBEと必要に応じた内視鏡的バルーン拡張術を行っているため、今後は2回目のDBEとなる患者が増えて、新規患者の増加ペースは従来に比較すると減少すると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
波長狭帯域光観察可能な新型ダブルバルーン内視鏡の薬事承認が遅れたため、短波長狭帯域光と色調拡張技術により赤色領域の彩度差・色相差を拡張するLinked Color Imaging技術を用いたクローン病小腸病変の炎症評価はできていなかった。しかし、2024年3月に新型ダブルバルーン内視鏡の薬事承認がおりたため、今後はLinked Color Imaging技術を用いたクローン病小腸病変の炎症評価を含めて解析していく予定である。
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