研究課題/領域番号 |
23K07449
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
奥村 彰規 愛知医科大学, 医学部, 特別研究助教 (90392357)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | HBV / リン酸化プロテオミクス / B型肝炎ウイルス / プロテオミクス / リン酸化シグナル経路 / ウイルス感染経路 |
研究開始時の研究の概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)の肝細胞への侵入機序には不明な部分が多く、その機序を網羅的に解析し理解する必要がある。本研究では、網羅的定量プロテオーム解析と翻訳後修飾プロテオーム解析を組み合わせた定量的リン酸化プロテオミクスにより、HBVが結合した肝細胞のリン酸化シグナル伝達経路を経時的・定量的に明らかにする。この研究によってHBVの肝細胞へ侵入する分子メカニズムが明らかとなり、新規抗ウイルス薬開発に新たな知見をもたらす。
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研究実績の概要 |
この研究では、B型肝炎ウイルス(HBV)が肝細胞上の感染受容体である胆汁酸輸送体NTCPに結合することで生じるリン酸化シグナル伝達経路に焦点を当てている。次世代型の網羅的定量プロテオーム解析と翻訳後修飾プロテオーム解析を組み合わせた定量的リン酸化プロテオミクスを用いて、HBVが結合した肝細胞におけるリン酸化シグナル伝達経路を時系列で詳細に調査した。この研究により、HBVが肝細胞に侵入する分子メカニズムが明らかになり、新規抗ウイルス薬の開発に貢献することが期待される。 今年度の研究では、NTCPを安定発現させた培養細胞にpreS1ペプチドを処理し、時間経過とともに培養細胞由来のペプチドサンプルを調製し、質量分析を行った。その結果、HBV感染経路に関与するタンパク質のリン酸化が検出された。また、植物由来のアルカロイドであるコノフィリンは、小胞体に局在する膜変形タンパク質ARL6IP1に特異的に結合し、その機能を阻害することが報告されており、このことから、コノフィリンがHBV感染経路の阻害剤として有望であると考えられた。実際に、コノフィリンをNTCPを安定に発現させた培養細胞にあらかじめ投与したところ、HBV感染を抑制できた。このことから、コノフィリンによる小胞体の膜構造変化がHBVの感染において重要である可能性が示唆された。しかし、ヒト初代肝細胞を用いた実験では、コノフィリンによるHBV感染の抑制効果が弱い結果が得られた。このように培養細胞株と初代肝細胞では異なる結果が得られており、その原因についてはさらなる検討が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
NTCPを安定発現させた培養細胞にpreS1ペプチドを処理して、経時的にペプチドサンプルを調製し、質量分析を行った。得られたサンプルで定量的リン酸化プロテオミクスを行った結果、親水性ペプチドの同定数が少なかったため、より親水性ペプチドを検出できるようなペプチドサンプルの調製法に変更する必要がある。 植物由来のアルカロイドであるコノフィリンをNTCPの安定発現培養細胞へあらかじめ投与しておいてからHBVを接種するとHBVの感染を抑制できた。しかし、ヒト初代肝細胞を使った実験では、コノフィリンによるHBV感染の抑制効果が低く、細胞株と初代肝細胞では異なる結果を得た。
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今後の研究の推進方策 |
リン酸化プロテオミクスの際には、より親水性ペプチドを解析できるように手法を改良して、同定ペプチド数を向上させる。この改良した手法で引き続き培養細胞レベルでリン酸化プロテオミクスを継続して行う。その後、ヒト肝細胞キメラマウス由来の肝細胞にpreS1ペプチドを処理し、経時的にペプチドサンプルを調製しリン酸化プロテオミクスを行う。得られた結果から、HBVの侵入過程に関与すると思われるタンパク質に作用する阻害剤等を使って抗HBV効果を検討する。
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