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慢性肝疾患において肝線維化が改善すると門脈圧は低下するか?その限界はどこか?

研究課題

研究課題/領域番号 23K07465
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53010:消化器内科学関連
研究機関大阪公立大学

研究代表者

打田 佐和子  大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60382074)

研究分担者 LE THITHANHTHUY  大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (10572175)
小谷 晃平  大阪公立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (50711793)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード門脈圧亢進症 / HVPG / 食道静脈瘤 / 慢性肝疾患 / 肝線維化
研究開始時の研究の概要

慢性肝疾患においては肝線維化の進展と伴に門脈圧が上昇し、腹水、消化管出血、肝性脳症などの門脈圧亢進に伴う症状が出現することは周知であり、門脈圧亢進症の発症機序は肝線維化のメカニズム解明と伴に明らかにされてきた。一方、上昇した門脈圧の低下に関する明らかな臨床医学的エビデンス、上昇した門脈圧の低下に関わる分子・細胞機序については殆ど解析されていない。
本研究では、超音波画像・放射線/核医学画像・組織所見や動物を用いたモデル研究により、一旦上昇した門脈圧は低下するのか?それにはどのような分子・細胞メカニズムがかかわるのか?という「問い」を解明する。

研究実績の概要

慢性肝疾患においては肝線維化の進展と伴に門脈圧が上昇し、門脈圧亢進症が出現する。慢性ウイルス性肝疾患では、抗ウイルス療法によりウイルスが制御されると肝線維化は改善するが、それに伴って門脈圧が低下する症例と低下しない症例があり、その境界は不明である。
我々は、先行研究(20K08338)で、肘静脈からの門脈圧(肝静脈楔入圧較差(hepatic venous pressure gradient; HVPG))測定法を確立し、C型慢性肝疾患に対する直接作用型抗ウイルス薬(DAA)治療前後のHVPGおよび門脈圧亢進症の変化と、それに関連する因子について解析してきた。また、基礎研究として、肝線維化に関与する主要な細胞型である肝星細胞 (HSC) で発現されるサイトグロビン (CYGB) の抗線維化作用について解析を継続中である。
2023年度は、非代償性C型肝炎関連肝硬変患者を対象に解析した。重度の門脈圧亢進症の割合は、HCV排除後に減少し(p = 0.046)、HVPG が低下した患者では、上昇した患者よりも治療前の脾臓容積が小さいことがわかった (p = 0.028)。非代償性C型肝炎関連肝硬変患者においてもHCVを排除すると、細胞機能と門脈圧亢進症の改善が期待できることを論文報告した。しかしながら、C型慢性肝疾患以外の慢性肝疾患についての検討は十分でなく、さらなる検討が必要である。また、より低侵襲な検査で門脈圧を予測し、対応していくことが望まれており、超音波検査で門脈圧を予測する方法の確立を検討中である。
基礎研究においては、門脈圧低下関連する分子・細胞メカニズムの解明には至っておらず、さらに検討が必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究遂行に想定以上に時間を要しており、やや遅延している。
特に、補助事業の目的をより精緻に達成するための動物モデルを用いた基礎研究に時間を要しており、分子・細胞メカニズム解明には至っていない。
また、C型肝疾患以外の肝疾患に対する検討ができてない。門脈圧を非侵襲的に予測する方法についても検討中である。

今後の研究の推進方策

これまでの研究で解析できていない他の肝疾患での経過を解析、および、基礎研究の解析を進めることで、門脈圧低下関連する分子・細胞の同定およびメカニズムを解明につなげたい。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Short-term hepatocyte function and portal hypertension outcomes of sofosbuvir/velpatasvir for decompensated hepatitis C-related cirrhosis2023

    • 著者名/発表者名
      Kotani Kohei、Enomoto Masaru、Uchida-Kobayashi Sawako、Tamori Akihiro、Yukawa-Muto Yoshimi、Odagiri Naoshi、Motoyama Hiroyuki、Kozuka Ritsuzo、Kawamura Etsushi、Hagihara Atsushi、Fujii Hideki、Kageyama Ken、Yamamoto Akira、Yoshida Atsushi、Higashiyama Shigeaki、Kawabe Joji、Kawada Norifumi
    • 雑誌名

      Journal of Gastroenterology

      巻: 58 号: 4 ページ: 394-404

    • DOI

      10.1007/s00535-023-01963-2

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] アルコール性肝障害患者における肝硬度測定と静脈瘤予後との関連 Baveno基準の検証2023

    • 著者名/発表者名
      小谷 晃平, 藤井 英樹, 河田 則文
    • 学会等名
      第45回日本肝臓学会西部会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] C型非代償性肝硬変SVR後の肝臓脾臓体積・HVPGの変化と肝関連イベントとの関係(会議録)2023

    • 著者名/発表者名
      小谷 晃平, 榎本 大, 小塚 立蔵, 打田 佐和子, 影山 健, 山本 晃, 武藤 芳美, 小田桐 直志, 元山 宏行, 川村 悦史, 萩原 淳司, 藤井 英樹, 田守 昭博, 河田 則文
    • 学会等名
      第29回門脈圧亢進症学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 非代償性C型肝硬変SVR後の門脈圧変化と門脈大循環シャント・脾腫との関連2023

    • 著者名/発表者名
      小谷 晃平, 榎本 大, 打田 佐和子, 田守 昭博, 武藤 芳美, 小田桐 直志, 元山 宏行, 小塚 立蔵, 川村 悦史, 萩原 淳司, 藤井 英樹, 河田 則文
    • 学会等名
      第59回日本肝臓学会総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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