研究課題/領域番号 |
23K07471
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
相葉 佳洋 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 臨床研究センター, 研究員 (70450955)
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研究分担者 |
伊東 正博 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 臨床検査科, 病理医 (30184691)
中村 稔 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 臨床研究センター, 客員研究員 (40217906)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 原発性胆汁性胆管炎 / トランスクリプトーム解析 / 疾患感受性遺伝子 / ゲノムワイド関連解析 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、日本人原発性胆汁性胆管炎(PBC)の疾患感受性遺伝子の一つとして転写コファクターであるPOU2AF1を同定した。PBC患者の肝組織において、POU2AF1は主に門脈域に浸潤した単核球に高発現していたことから、PBC門脈域の病態形成に関与していることが示唆された。本研究では、PBC肝組織や免疫細胞のトランスクリプトーム解析、ChIPシーケンス、免疫組織染色などを実施して、PBC門脈域におけるPOU2AF1とその関連分子の役割を明らかにする。
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研究実績の概要 |
今年度前までにマイクロアレイ解析にて、原発性胆汁性胆管炎(PBC)肝組織のPOU2AF1遺伝子発現が肝障害マーカー(AST, ALP)、抗体産生(IgM, IgG, 抗gp210抗体)と正に相関し、肝機能マーカー(アルブミン)と負に相関することを確認している。今年度はRNA-seq解析にて症例数を増やして、PBC肝組織のPOU2AF1遺伝子発現がAST, ALP, IgM, IgGと正に相関すること、アルブミンと負に相関することを確認した。また、PBC肝組織のPOU2AF1遺伝子発現が線維化マーカー(M2BPGi, FIB-4 index)と正に相関し、血小板と負に相関することを新たに確認した。一方、末梢血中のPOU2AF1遺伝子発現は健常人とPBCで有意な差はなく、生化学データと有意な相関はなかった。また、Ingenuity Pathway Analysisにより肝組織でPOU2AF1の上流因子と予想された遺伝子発現も、健常人とPBCの末梢血単核球で有意な差はなかった。ChIP-Atlas上に新たに追加されたtonsil germinal centerのPOU2AF1 ChIP-dataとPBC肝組織でPOU2AF1と正に相関する遺伝子を比較し、PBC肝組織の異所性リンパ濾胞でPOU2AF1により制御されている可能性が考えられる遺伝子を抽出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
肝組織検体の保存方法に変更があり、検体収集開始時期が遅れ予定していた解析が出来なたった。また、他の共同研究などに対するエフォートが増加し、当研究に対するエフォートが当初予定していたよりも減少したため。
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今後の研究の推進方策 |
PBC肝局所でPOU2AF1発現増加に寄与する候補因子を免疫組織染色により解析する。PBC肝臓の門脈域で認められるPOU2AF1陽性の異所性リンパ濾胞や形質細胞の意義や役割を明らかにするために、PBC肝臓の門脈域におけるトランスクリプトーム解析を予定している。
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