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人工知能による心筋生検の読影を用いた重症心不全の統合的予後推測法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23K07524
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分53020:循環器内科学関連
研究機関新潟大学

研究代表者

猪又 孝元  新潟大学, 医歯学系, 教授 (20311954)

研究分担者 奥田 修二郎  新潟大学, 医歯学系, 教授 (00512310)
柏村 健  新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (70419290)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード心筋生検 / 心不全 / 人工知能
研究開始時の研究の概要

心不全には先制医療が有効だが、先を読む診療の個別化は確立されていない。左室逆リモデリング (LVRR)が心不全予後を大きく左右し、心筋生検はLVRRの強力な予測因子である。
まず、これまでに心筋生検が行われた拡張型心筋症の連続症例を用いて、後向き観察研究を行う。心筋生検および心臓MRIの画像を用い、人工知能(AI)の深層学習によるLVRRおよび心血管予後の診断精度を検証する。次に、確立したAI診断システムを用い、新潟県内施設で施行された生検およびMRI画像に加え各種臨床指標を組み込み、AIによる統合的診断精度を検証する前向き多施設共同研究を行う。

研究実績の概要

一部の治療により心機能が改善する現象が観察され、左室逆リモデリング(LVRR)と呼ばれる。LVRRは、予後の改善をもたらすかの先を読む指標として注目されている。LVRRは、個別化という新たな心不全治療戦略の主軸となり、これを予見する事前情報として心筋病理と心臓イメージングの有用性を報告してきた。しかし、その読影は人間の眼で判断される職人技との現状が未だ長く続いている。しかも、心臓領域では専門家や対応施設が少なく、普及や標準化の大きな妨げになっている。ヒトや場所を選ばず、判断がバラつかない方法論として、人工知能(AI)による画像読影がLVRR予見を通じて心不全患者の「これから」を診断し、最終的に人為的な診断バイアスを生まない統合的な心不全予後予測システムを確立することを研究目的とする。
2012-20年に新潟大学医歯学総合病院にて心筋生検が行われた拡張型心筋症(DCM)の連続337症例を用い、心筋生検のヘマトキシリンエオジン染色標本を、光学顕微鏡を用いたTIFFデータもしくはバーチャルスライドにより画像データ化し、convolutional neural network (CNN)モデル作成を試みている。心筋生検のAI診断システムが確立できた時点で、同じ対象例において心筋生検と同時期に行われたGd造影心臓MRI画像をデータ取得し、AIによるLVRRおよび心血管予後の診断精度を検証する。そして最終的には、統合臨床指標を用いたAI診断の前向き多施設共同研究へと発展させる。すなわち、他の臨床データと合わせ、AIによるLVRRおよび心血管予後の診断精度を検証し、心不全予後に繋がる診断アルゴリズム確立を目指している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和5年度は、繰り返しAI診断の精度管理の検証を行った。患者背景のばらつきを抑えたDCM91症例をLVRRの有無にて半数づつに群別化し、予備調査と同一の方法論で検討を進めた。しかしながら、学習データではaccuracyが高いが、評価データでは正解率が低いといったoverfittingから脱却できていない。すなわち、本研究開始前に行った24例での予備調査(validation accuracy 0.8924)を上回る高精度を得られず、あらためて診断アルゴリズムの設定調整を行う必要が生じた。

今後の研究の推進方策

令和6年度はまず、用いる画像データの条件(画像の倍率や組織の選定)や画像処理(色調調整)を修正のうえ精度向上が得られないかを追加検証する。そのうえで、DCMの連続200症例をあらたに登録し、設定したアルゴリズムへ組込み、再現性を検証する。令和7年度は、統合臨床指標を用いたAI診断の後ろ向き研究を組み、ベースラインとして心筋生検に加え心臓MRIが施行され、同時期の血液データ、心電図、心エコー図の各種データと1年後の左室逆リモデリング(LVRR)との関連を検証し、心筋生検AI診断によるLVRR予測能について得られた結果を取りまとめる。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Baseline Blood Pressure and Left Ventricular Reverse Remodeling in Dilated Cardiomyopathy with Spontaneous Mechanical Alternans2023

    • 著者名/発表者名
      Watanabe M, Kashimura T, Ishizuka M, Kase M, Sakai R, Fujiki S, Takayama T, Ishihara S, Ozaki K, Inomata T
    • 雑誌名

      Internal Medicine

      巻: 62 号: 12 ページ: 1707-1713

    • DOI

      10.2169/internalmedicine.0711-22

    • ISSN
      0918-2918, 1349-7235
    • 年月日
      2023-06-15
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] EFからみた今どきの心不全診療2024

    • 著者名/発表者名
      猪又孝元
    • 学会等名
      第268回日本循環器学会関東甲信越地方会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 日本臨牀 81巻 左室逆リモデリング2023

    • 著者名/発表者名
      猪又孝元
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      日本臨牀社
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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