研究課題/領域番号 |
23K07555
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
近藤 秀和 大分大学, 医学部, 助教 (90724170)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | CXCL5 / SGLT2阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
SGLT2阻害薬は左室駆出率に関わらず慢性心不全患者の心不全入院を有意に抑制する唯一の薬剤である。心外膜脂肪はパラクライン効果を介して心筋細胞へ影響を与えるため,申請者はSGLT2阻害薬が心外膜脂肪のパラクライン効果に与える影響に関して予備的検討を行った。結果,SGLT2阻害薬エンパグリフロジンは再現性をもってヒト心外膜脂肪細胞の炎症性アディポカインCXCL5遺伝子発現を抑制した。そこで申請者らは,SGLT2阻害薬が心外膜脂肪CXCL5を抑制する機序を解明し,心外膜脂肪CXCL5発現制御は心筋細胞のダメージを抑制するかを検証する。
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研究実績の概要 |
実際CXCL5がヒト心筋細胞へ直接的に効果を及ぼすか検証するために,ヒトリコンビナントCXCL5をAxol社から購入したiPS由来ヒト心房筋細胞に負荷し,ルミノメーター及びヒドロエチジウム染色(共焦点レーザー顕微鏡使用)を用いてスーパーオキサイドの生成量を評価した。結果想定通り、CXCL5はスーパーオキサイド産生量を増加させた。CXCL5はErkシグナリングの活性化を介してスーパーオキサイド産生亢進に働いていることがウェスタンブロットの結果で示唆された。ampk,Akt,Erk,JNKシグナリングに関しては有意な変化が見られずこれらのシグナル経路への関与は大きくないと考えた。現在ヒト心外膜脂肪から抽出したヒト前駆脂肪細胞及び分化誘導後成熟脂肪細胞をSGLT2阻害薬投与下でincubationし,心外膜前駆/成熟脂肪細胞内で生じているシグナル伝達の変化を探索している。その中でCXCL5の発現/分泌促進に最も寄与するシグナルパスウェイを探索している。分化誘導後成熟脂肪細胞をSGLT2阻害薬投与下でincubationした脂肪細胞に関してはシグナリングの動きが乏しく探索が困難な状況が続いている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以前と変化なくヒト組織が順調に採取できている。ヒト心筋細胞のセルラインも使用できており,機序に迫る実験が順調に進行できている。
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今後の研究の推進方策 |
ウエスタンブロット法によりIκBαなどの炎症に関与するシグナルの評価を行う。CXCL5を用いてヒト心臓線維芽細胞にも同様の実験を行い,α-SMA産生能やコラーゲン産生能をPCRやウエスタンブロット法により測定し評価する。
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