研究課題/領域番号 |
23K07593
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 隆博 北海道大学, 大学病院, 講師 (30724447)
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研究分担者 |
辻野 一三 北海道大学, 医学研究院, 特任教授 (00344507)
平田 健司 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (30431365)
清水 薫子 北海道大学, 大学病院, 特任講師 (40399853)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 慢性肺血栓背塞栓性肺高血圧 / 息切れ / 呼吸機能 / 心機能 / 慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症(Chronic thromboembolic pulmonary hypertension (CTEPH))における治療後残存息切れの原因を明らかにし、適切な対処方法を確立することである。 CTEPH症例の息切れの自覚症状は身体活動質問紙表を用いて決定。定量的な心肺機能指標は心肺運動負荷検査で求める。右心機能解析は、右心カテーテル検査と心臓MRI検査から求める。呼吸機能は、呼吸機能検査、CT画像から肺の容積を計測する。さらに、肺循環解析を酸素15標識水PET/CTで求める。 それぞれの関係を明らかにし息切れの程度と関連する指標を確立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症(Chronic thromboembolic pulmonary hypertension (CTEPH))における治療後残存息切れの原因を明らかにし、息切れと関連する指標、適切な対処方法を確立することを目的に研究をしている。下記(A)~(C)の指標との関連を検討することを目的としている。 (A)心臓の形態・機能異常の評価系の確立。これは、従来、PH症例の心臓形態・機能の評価は血中脳性ナトリウム利尿ペプチド濃度、心エコー、心臓カテーテル検査などで行われてきた。これらの指標は治療の適正化や予後予測の上で有用である。しかし、従来の指標は負荷依存性であり心臓固有の機能を反映しないという問題があった。その中で近年、心臓MRIと右心カテーテル指標を組み合わせることで右室固有の収縮・拡張能を算出している。 (B)呼吸機能と肺容積の評価系の確立。CTEPH症例では、拘束性障害や閉塞性障害を認めることが報告されているが、治療前後の変化については報告がない。本研究では治療前後の呼吸機能を呼吸機能検査(含肺拡散能力)と肺CTを用いて比較する。CTでは肺容積をAVIEWTMを用いて算出し解析する。これらと治療前後の息切れの程度・質、運動耐用能(6分間歩行距離およびボルグ指数、最大酸素摂取量)との関連を解析する。 (C)肺循環動態の安静時、運動負荷時の定量的評価を確立。15OでラベリングしたH20(水)をトレーサーとして用いたPET検査にて肺内血流量測定を行い息切れとの関連を検討する。 現在、CTEPH症例のカテーテル治療後の症例が10例ほど蓄積されてきており、次年度はこれらの結果を学会発表、論文発表していく予定とされている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症(Chronic thromboembolic pulmonary hypertension (CTEPH))における治療後残存息切れの原因を明らかにし、息切れと関連する指標、適切な対処方法を確立することを目的に研究をしている。下記(A)~(C)の指標との関連を検討することを目的としている。 (A)心臓の形態・機能異常の評価系の確立。これは、従来、PH症例の心臓形態・機能の評価は血中脳性ナトリウム利尿ペプチド濃度、心エコー、心臓カテーテル検査などで行われてきた。これらの指標は治療の適正化や予後予測の上で有用である。しかし、従来の指標は負荷依存性であり心臓固有の機能を反映しないという問題があった。その中で近年、心臓MRIと右心カテーテル指標を組み合わせることで右室固有の収縮・拡張能を算出している。 (B)呼吸機能と肺容積の評価系の確立。CTEPH症例では、拘束性障害や閉塞性障害を認めることが報告されているが、治療前後の変化については報告がない。本研究では治療前後の呼吸機能を呼吸機能検査(含肺拡散能力)と肺CTを用いて比較する。CTでは肺容積をAVIEWTMを用いて算出し解析する。これらと治療前後の息切れの程度・質、運動耐用能(6分間歩行距離およびボルグ指数、最大酸素摂取量)との関連を解析する。 (C)肺循環動態の安静時、運動負荷時の定量的評価を確立。15OでラベリングしたH20(水)をトレーサーとして用いたPET検査にて肺内血流量測定を行い息切れとの関連を検討する。 現在、CTEPH症例のカテーテル治療後の症例が10例ほど蓄積されてきており、(A)(B)に関しては予定通りのデーターの集積を行えているが、(C)は機器の故障のため検査が進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症(Chronic thromboembolic pulmonary hypertension (CTEPH))における治療後残存息切れの原因を明らかにし、息切れと関連する指標、適切な対処方法を確立することを目的に研究をしている。下記(A)~(C)の指標との関連を検討することを目的としている。 (A)心臓の形態・機能異常の評価系の確立。これは、従来、PH症例の心臓形態・機能の評価は血中脳性ナトリウム利尿ペプチド濃度、心エコー、心臓カテーテル検査などで行われてきた。これらの指標は治療の適正化や予後予測の上で有用である。しかし、従来の指標は負荷依存性であり心臓固有の機能を反映しないという問題があった。その中で近年、心臓MRIと右心カテーテル指標を組み合わせることで右室固有の収縮・拡張能を算出している。 (B)呼吸機能と肺容積の評価系の確立。CTEPH症例では、拘束性障害や閉塞性障害を認めることが報告されているが、治療前後の変化については報告がない。本研究では治療前後の呼吸機能を呼吸機能検査(含肺拡散能力)と肺CTを用いて比較する。CTでは肺容積をAVIEWTMを用いて算出し解析する。これらと治療前後の息切れの程度・質、運動耐用能(6分間歩行距離およびボルグ指数、最大酸素摂取量)との関連を解析する。 (C)肺循環動態の安静時、運動負荷時の定量的評価を確立。15OでラベリングしたH20(水)をトレーサーとして用いたPET検査にて肺内血流量測定を行い息切れとの関連を検討する。 現在、CTEPH症例のカテーテル治療後の症例が10例ほど蓄積されてきており、次年度も同程度の症例の蓄積を見込んでいる。(C)のPET検査の機器故障については、現在対応中であり修理費用が高額であればその他代用の検査も検討する。
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