研究課題/領域番号 |
23K07602
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩本 博志 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (60457398)
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研究分担者 |
中江 進 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (60450409)
平野 綱彦 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (00382333)
天野 芳宏 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (80910801)
山根 真由香 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (00914061)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 身体活動性 / 気管支喘息 / マイオカイン / 喘息 / フェノタイプ |
研究開始時の研究の概要 |
気管支喘息は慢性の気道炎症により気道狭窄を来す成人の約8%が罹患するコモンディジーズであり、高齢化社会の到来により喘息患者の健康寿命の伸長が重要な課題となっている。近年の報告で喘息患者では身体活動性低下を認めることが示唆されているが、活動量低下を来す喘息の特徴とその影響は不明である。 本研究は喘息患者の活動量を検討する多施設研究のデータベース、臨床検体を用いて、身体活動性低下に起因するマイオカイン、アディポカイン(筋肉や脂肪由来の物質)の全身への影響、喘息自体への影響について検討し、さらに基礎実験により分子メカニズムを解明する予定である。
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研究実績の概要 |
喘息患者における3軸加速度計による身体活動量の測定、呼吸機能検査、問診票による調査の3年後のフォローアップを終了し、データベースの整備を進めている。またベースラインにおける保存血清を用いたマイオカインの解析を行った。 血中irisinは健常者と比較して喘息患者で低下しており、呼吸機能検査の%FEV1と正の相関を認め、気道抵抗では末梢成分に該当するR5-R20と負の相関を認めており、喘息における気流制限の進行とirisinとの関連が示唆された。一方でirisinは2型炎症マーカーおよび全身炎症マーカーとの関連は認められなかった。 血中FGF21は身体活動量と負の相関を認め、post-BD %FEV1, 1秒率と負の相関を認め、活動量と呼吸機能双方との関連が示唆された。一方でFGF21は2型炎症マーカー、全身炎症マーカーとは関連を認めなかった。 血中IL-15は喘息患者において健常者と比較して上昇していた。また喘息患者、および非アトピー型喘息において血中IL-15は身体活動量と負の相関を認めた。また、非アトピー型喘息において血中IL-15は血中好酸球と正の相関を認めた。これらの結果から非アトピー型喘息においてIL-15と活動量低下、2型炎症との関連が示唆された。 血中BDNFは喘息患者におけるHADS-Dスコアと有意な相関を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの結果から血中のマイオカインと活動量、気流制限、2型炎症との関連を示唆される。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に示した血中マイオカインと喘息の病態生理との関連の機序について基礎的な検討を進める。また更に喘息の病態生理、あるいは併存症と関連する可能性のあるマイオカインを測定し、喘息患者における身体活動性の喘息および全身への影響のメカニズムの解明を目指す。
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