気管支喘息は、気道過敏性の亢進や変動性の気道狭窄で特徴づけられる疾患であり、現在でも毎年約2000人前後が亡くなっている。喘息患者の聴診ではwheezesが特徴的とされているが、症状の日内変動や季節性変動のため昼間の外来受診時のみの短時間の聴診では患者の全般的な病状をとらえることは困難であった。さらに、wheezesをはじめとした呼吸副雑音の評価は担当医の主観に依存しており、客観的・定量的評価や経時的な呼吸音の記録は現在の日常臨床においては不可能である。 申請者らは、喘息患者の夜間の呼吸音の特徴を定量的に把握することが喘息コントロールのための新規評価指標となりうると考え、本研究を計画した。
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