研究課題/領域番号 |
23K07632
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
室 繁郎 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60344454)
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研究分担者 |
伊藤 利洋 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00595712)
田辺 直也 京都大学, 医学研究科, 助教 (30805817)
佐藤 晋 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (40378691)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 肺気腫 / 肺胞上皮 / 再生医療 / 形態測定 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の潜在患者数は540万人以上と類推され、フレイル・要介護状態の重要な背景疾患であり、超高齢化社会において医療経済を圧迫する重要な疾患である。COPDの主要な病理学的変化である肺胞の破壊(肺気腫)を抑制ないしは肺胞再生を実現する治療法は存在しない本申請では、マウスモデルにおいて、肺血管内皮・肺胞をそれぞれに再生させうるモデル構築を目指し、それらの形態変化とヒト肺におけるCT画像の特徴量との相同性を見出し、創薬につながるヒトCOPDのフェノタイピングとプレシジョン医療の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
COPDのフェノタイプとして、好酸球性炎症合併が指摘されている。そこで肺葉切除術で得られた病理標本で、主要塩基性蛋白(MBP)で染色し、小気道壁への好酸球浸潤を定量した。気道 MBP 陽性細胞の数は、非喫煙者よりも喫煙者 (n=60) の方が多かった (n=14)。 COPDのある喫煙者とない喫煙者(各n=30)は、血液中好酸球数と組織中MBP陽性細胞との間に有意な関連性を示した (ρ=0.45 および 0.71)。 喫煙者を中央値に基づいて高気道MBP群と低気道MBP群に分けたところ、血中好酸球数は高MBP群の方が高く、血中好酸球数の増加と高MBP群との関連性は、喫煙状況、気流制限、ICS使用を調整した多変量モデルで確認された。その結果 気道MBP陽性細胞数は、COPDの有無にかかわらず喫煙者の小気道における好酸球性炎症を反映していると考えられた。また、日本人の肺気腫には、小葉中心性肺気腫と傍壁在性肺気腫が主な病変であるが、それらが臨床経過に及ぼす影響は充分に検討されていない。今回、399人のCOPD患者を含む二つの前向き観察研究でCT画像上の小葉中心性肺気腫と傍壁在性肺気腫が臨床経過に与える影響を検討したところ、ヒトCT画像における傍壁在性肺気腫は呼吸機能の低下におよぼす影響が少なく、小葉中心性肺気腫がヒトCOPD症例において拡散能や閉塞性障害といった呼吸機能の経年的低下に関与することが示唆され、ある程度進行した小葉中心性肺気腫は予後悪化因子であることが示された。
マウス実験においては、ADSC複数回投与の検討している。また、ADSCの分化に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒトCOPD研究において、新型コロナ対策のために減少した外来COPD患者のリクルートが滞っている。 また、マウス実験において、酸化ストレス(タバコ抽出液)による気腫化にばらつきがあり、定量評価に支障をきたしている。
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今後の研究の推進方策 |
離床検討は引き続き症例を集積する努力を続ける。自治体等に働きかけ、症例発掘に努めている。 マウス実験においては、条件を変えて実験を遂行している。
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